2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンリジン残基修飾による新たなエピジェネティクスの研究
Project/Area Number |
24590450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤井 澄 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60284189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
千原 良友 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40405395)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | p16 / カルボキシメチル化 / H4ヒストン / リジン残基 / アセチル化ヒストン |
Research Abstract |
膀胱癌ではp16は高度のDNAメチル化によりサイレンシングされている。ヒト膀胱癌細胞株T24を用いて糖化中間産物であるグリオキサールのH4ヒストンへの影響を検討した。グリオキサール処理により、p16遺伝子結合H4ヒストンのK9リジン残基にカルボキシメチル化が増加し、一方、アセチル化リジンが減少することがクロマチン免疫沈降法により明らかになった。しかし、p16 mRNA発現を検討すると発現変化はほとんど見られず、CpGメチル化ステータスに著変は認められなかった。このように、当科亢進状態でヒストン・リジン残基にカルボキシメチル化が生じ、ヒストンアセチル化レベルに影響を与えることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖化修飾によるH4ヒストン・リジン残基のカルボキシメチル化がH4ヒストンアセチル化レベルに影響を与えることを見出し、今後の研究の発展につなげることが可能である。網羅的検討によるH4ヒストン・カルボキシメチル化プロファイリングにつては、技術的障壁を解決し実施可能なレベルに達している。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的検討によるH4ヒストン・カルボキシメチル化プロファイル作成とSAGE法によるトランスクリプトーム解析との比較検討による、ヒストン・カルボキシメチル化の遺伝子発現への影響の網羅的検討と糖化亢進による遺伝子発現変化の標的遺伝子の発見を中心に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
網羅的クロマチン免疫沈降法、SAGE法、糖尿病モデルマウスとその解析を中心に研究費を使用する予定である。
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