2013 Fiscal Year Research-status Report
ゴルジ・小胞体ストレス応答によりもたらされる癌幹細胞自己複製機構の解明
Project/Area Number |
24590472
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大森 泰文 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90323138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 年明 秋田大学, 医学部, 講師 (80302264)
山本 洋平 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70400512)
榎本 克彦 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20151988)
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Keywords | コネキシン / 癌幹細胞 / 小胞体ストレス / ゴルジ体ストレス / ATF6α / 転移 |
Research Abstract |
肝細胞癌細胞株におけるコネキシン32 (Cx32)の局在の同定: ヒト肝細胞癌由来細胞株HuH7、Li-7、HepG2において、Cx32の局在を免疫蛍光法で調べた。どの細胞においても、本来細胞膜に局在するはずのCx32が細胞質に局在した。さらに、各種細胞内オルガネラのマーカーと重染色したところ、Cx32とゴルジ体マーカーのシグナルが重なっており、調べた細胞内においてCx32がゴルジ体に局在していることが分かった。 Cx32のゴルジ体内過剰貯留によるストレス応答の惹起: 培養液からdoxycycline (Dox)を除くことで外来性のCx32を過剰発現させることのできるHuH7 Tet-off Cx32細胞を用いて、Cx32のゴルジ体内過剰貯留を誘導したところ、小胞体ストレス応答タンパクの内、ストレス適応タンパクであるGRP78の発現が著増することを発見した。 Cx32のゴルジ体内過剰貯留がもたらすATF6α活性化の発見: 小胞体ストレス応答のシグナル伝達に関与するATF6αは、不活化状態で小胞体に局在するが、ゴルジ体に移行すると2種のプロテアーゼ(S1PとS2P)により断片化される。そこで、HuH7 Tet-off Cx32細胞にCx32のゴルジ体内貯留を誘導したところ、ATF6αの活性化が亢進することが明らかとなった。 Cx32依存性癌幹細胞(CSC)自己複製におけるATF6α活性化の関与: ATF6αの発現量もしくは活性化の抑制が、Cx32依存性CSC自己複製にどのような影響がもたらされるかを調べるために、ATF6αやS1Pプロテアーゼに対するsiRNAを導入したところ、Cx32依存性CSC自己複製亢進がみられなくなった。したがって、Cx32のゴルジ体内貯留によるATF6αの活性化がCSC自己複製に必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、Cx32のゴルジ体への貯留が、いかにして小胞体ストレス応答を惹起するのか、そしてこれがCSCの自己複製をいかに制御するのかを明らかにしていきたい。 平成25年度中の研究において、Cx32のゴルジ体内貯留によるATF6αの活性化亢進がCSCの自己複製をもたらすことが明らかとなった。順調に計画が遂行されており、次年度の新たな段階の研究を遂行できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
ATF6α活性の変化に伴う下流遺伝子の発現解析: 活性化型ATF6αは核内転写因子として、GRP78やcalretininなどの小胞体ストレス応答タンパクの遺伝子を制御する。そこで、ATF6α活性の変化に伴う下流遺伝子の発現量の変化を定量的RT-PCRで詳細に調べる。 Cx32とATF6αとの複合体形成の検討: Cx32とATF6αがゴルジ体で複合体を形成していることを確認するために、Cx32の過剰発現時に抗Cx32抗体を用いて免疫沈降を行いATF6αの共沈を検討する。Cx32がATF6α自身ではなく、そのプロセッシング酵素S1PまたはS2Pである可能性もあるので、これら酵素とCx32との複合体形成も検討する。また、Cx32の膜輸送が正常に維持され、Cx32のゴルジ体への貯留がみられないHeLa細胞において同様の実験を行い、ゴルジ体への貯留が複合体形成に重要であることを示す。 活性化型ATF6α過剰発現細胞の作製とCSC数の変化および造腫瘍能の検討: HuH7細胞やLi-7 細胞に、活性化型ATF6αのcDNAをレトロウイルスベクターを用いて導入し、活性化型ATF6α過剰発現株を作製する。これらの細胞におけるCSCの増減を、評価するとともに、SCIDマウス皮下への異種移植により造腫瘍能を検討することで、ATF6αのCSC制御への関与を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度予定していた委託実験を施行したが、データ解析に時間がかかっており、現在のところまだ納品されていない。したがってこれを支出として計上していないため、見掛け上、次年度使用額が生じた。 また、一部の結果が予想外であり、実験計画の組み換えを行ったために、一部の研究費を次年度に繰り越すことにした。 各種抗体や試薬等の消耗品、実験動物、国内学会発表のための旅費に使用する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Isthmin targets Cell-surface GRP78 and triggers apoptosis via induction of mitochondrial dysfunction.2014
Author(s)
Chen, M., Zhang, Y., Yu, VC., Chong, YS., Yoshioka, T. and Ge, R. Chen, M., Zhang, Y., Yu, VC., Chong, YS., Yoshioka, T. and Ge, R.
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Journal Title
Cell Death Differ.
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] A role of INtegrin β4 in the prostate cancer progenitors.2013
Author(s)
Yoshioka, T., Yamamoto, Y., Nanjo, H., Goto, A., Enomoto, K. and Omori, Y.
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜市
Year and Date
20131003-20131005
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[Presentation] Reactivity with human cancers and anti-tumor effect of novel anti-HER3 rat monoclonal antibodies.2013
Author(s)
Okita, K., Ueda, S., Tokiwa, R., Yagi, H., Inoue, M., Yoshioka, T. and Masuko, T.
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜市
Year and Date
20131003-20131005
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