2013 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌患者QOL評価におけるゴールドスタンダードの確立に関する研究
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24590594
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
並木 俊一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40400353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 陽一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50193058)
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Keywords | 前立腺癌 / 手術 / 国際比較研究 |
Research Abstract |
平成24年2月にAsan Medical Centerとの共同研究グループを立ち上げた。その後該当施設のIRBで承認を得た後に同年3月から4月にかけて研究を開始した。 調査システムの構築(QOL調査票の作成、研究対象である患者背景の調査項目の設定)が終了した後に対象患者の登録を開始した。平成25年3月の時点で本研究参加に同意を得た対象患者の登録は終了した。 これまで対象は局所前立腺癌と診断された日本人126名、韓国人288名が研究対象となった。本研究は治療開始前および治療開始後定期的にQOL調査を行うものである。調査は治療前及び治療後1,3,6,12の計5回測定した後にまとめて回収することにした。したがって平成25年度は治療前のデータの解析のみ可能であった。術式では恥骨後式前立腺全摘除術の割合は韓国人が26%、日本人が52%だった。年齢、PSA、臨床診断には有意差を認めなかった。治療前の勃起補助薬の内服の割合は韓国人の方が高かった。パートナー有の割合では韓国人の方が高かった。治療前の質問票による評価では日本および韓国の両国間での排尿及び排便機能は類似していた。一方日本人の性機能は韓国人に比較して低かった。項目別の検討では日本人のほうが性的欲求は低く、勃起状態は弱く、4週間以内の性交渉の数も少なかった。しかし性機能に対する負担感はむしろ日本人のほうが軽い傾向を認めた。アジアにおいても日韓両国において性に関する国際的な相違が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は平成24年度に引き続き対象患者の登録、データの収集を行った。さらに平成26年3月までにすべてのデータの収集が完了した。現在は収集したデータの入力及び解析に取りかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は治療後の患者QOLの経時的な変化の解析を行なう予定である。限局性前立腺癌に対する治療として手術療法、放射線療法、小線源療法の各治療法を取り上げ、それぞれについては臨床面、QOL面から比較検討する。臨床面は日本泌尿器科学会の前立腺癌取り扱い規約(第3版)の前立腺癌治療効果判定基準を準用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの収集の時期が遅れたために入力にかかる費用を年度内に計上できなかった。 以下の項目について次年度分と合わせて使用する予定である。1)データの入力依頼及び解析ソフトの購入2)国際学会での発表3)論文化
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Research Products
(2 results)