2012 Fiscal Year Research-status Report
地域救急医療連携への影響要因の解明と支援技術の運用を通じた評価に関する研究
Project/Area Number |
24590617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山田 クリス孝介 佐賀大学, 医学部, 助教 (70510741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
本村 陽一 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30358171)
櫻井 瑛一 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50612173)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 救急 / 地域救急医療連携 / 病院前救護 / 救急システム / 可視化 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の3つである。[研究1]過去のデータを詳細に分析し,現状を把握すると共に,地域救急医療連携に及ぼすシステム導入の効果を明らかにする。[研究2]システム運用を通じて日々得られるデータから,地域救急医療連携を促進または阻害する要因を横断的および縦断的に明らかにする。[研究3]救急隊員と医療スタッフにユーザ評価を実施してシステムの問題点の抽出とユーザの作業負荷を明らかにし,それらの評価に基づく持続可能なシステム更新の仕組みについて検討する。 今年度は、[研究1]においてシステムが導入された平成23年4月から平成24年3月までの1年間のデータを分析し、平均搬送時間の短縮と三次医療機関への搬送割合の減少を示すことによってシステムの導入効果について実証することができた。[研究2]においては[研究1]と同様のデータを分析することにより、地域救急医療連携の促進要因としてシステム導入が一因となっていること(例えば、三次医療機関への搬送割合の減少)や、受入率のばらつきが未だに存在し、阻害要因の一因となっていることを明らかにすることができた。[研究3]においては救急隊員と医療スタッフへの聞き取り調査から、データを有効に活用できていないという問題点を抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、システムの運用を通じて収集されるデータから、システムの導入効果と地域救急医療連携の促進または阻害要因を部分的にではあるが明らかにすることができた。本研究はシステムを実際に運用する中で取り組まれるものであるため、当初の計画通りに進まない可能性は否定できないが、今年度はデータの入手から分析、ユーザ(救急隊員と医療スタッフ)への聞き取り調査を実施することができたため、計画は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
[研究1]および[研究2]については、システムの実運用を通して日常的に収集されるデータから地域救急医療の現状を把握するとともに、地域救急医療連携の促進または阻害要因を縦断的に明らかにする。 また、[研究3]については、ユーザ(救急隊員と医療スタッフ)への聞き取り調査から得られたデータの有効な活用方法として、データの可視化に焦点を当てて研究を推進していく。現場のニーズを踏まえ、データを効果的に可視化することによって、エビデンスに基づく施策の立案や地域救急医療連携の更なる円滑化が期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の主な用途は、今年度の研究成果を各学会等にて公表すること(学会発表および学術雑誌への投稿)とデータ可視化のプラットフォームの開発である。プラットフォームの開発については、実用化に耐えうるものとするため、研究要素以外の開発は専門の業者に委託する予定である。したがって、次年度の研究費は主に旅費とプラットフォーム開発費として使用する計画である。尚、何れも綿密な打合せが必要となるが、適宜ウェブ会議等を利用するなどして予算を適切に使用するよう努める。
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