2014 Fiscal Year Research-status Report
安全な立ち上がりを支援するアセスメントツールの開発:タブレット型情報端末を用いて
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24590625
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
横井 和美 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80300226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 裕 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70275171)
伊丹 君和 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30310626)
森 敏 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40200365)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護・福祉 / 看護アセスメントツール / 立ち上がり支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
「安全な立ち上がりを支援するアセスメントツールの開発:タブレット型情報端末を用いて」において、平成25年度は、タブレット型携帯情報端末に導入する安全な立ち上がりのアセスメントプログラムの作成を研究目的として実施した。平成24年度の文献調査では、エビデンス・レベルの高いと思われる学会誌より立ち上がり動作のアセスメントの視点となる項目を抽出することができた(人間看護学研究 第12号 p65-76、2014年に掲載)。その項目を基に、平成25年度では立ち上がり困難となる症状マネジメントや身体特性に応じた立ち上がりを選択するアセスメントプログラムを作成した。 アセスメントの項目を、身体機能の状態、環境状況、心理状況の項目に大別し、研究文献の根拠を基にそれぞれのアセスメントの視点の関連性を追究した結果、安全な立ち上がり支援の共通到達点に立ち上がりの症状マネジメントや身体特性に応じた立ち上がりの選択を設定することで、個別の状況を組み入れたアセスメントプログラムの作成が可能となった。 本アセスメントプログラムをディシジョンツリー式に作成しタブレット型情報端末に導入することで、個人の状況をタッチパネル形式で確認しながら立ち上がり動作の評価や方法の選択が、随時行えるアセスメントツールの開発を試みている。平成26年度は、アセスメントツールの利便性や汎用性を高めるために、アセスメント所要時間が5~10分となるようプログラムの簡素化と的確化を図り現場でプレ試行を行った結果、対象者は画像が見やすく次画面への展開操作がしやすいことを求めた。また。調査者の誰もが画面に示された立ち上がり困難対象者の状況の根拠をわかりやすく説明できる画面表示や対象者の質問に対する回答の画面が求められ、アセスメントツールを表示する画面の改良や質問に対する回答の根拠を追加表示し、再度、現場で試行できるよう改善している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度は個別の身体特性に応じた安全な立ち上がり援助が行える系統立てた看護アセスメントプログラムを作成し、アセスメントプログラムをタブレット型情報端末に導入することであった。安全な立ち上がり援助が行える系統立てたアセスメントプログラムは、文献より抽出されたアセスメント項目を基に、到達点に立ち上がりの症状マネジメントや身体特性に応じた立ち上がりの選択を設定し、個別条件を反映できるように身体機能の状態、環境状況、心理状況の項目を多面的に絡ませタブレット型情報端末に導入し、タッチパネル形式で行えるアセスメントツールとして開発を試みた。 実際に臨床活用できるようアセスメントの所要時間を5~10分以内に収まるように、ディシジョンツリーの簡素化と的確化を図り、平成26年度には所属大学の倫理審査委員会承認後、タブレット型情報端末でプレ試行した。しかしプレ試行の段階で、対象者に画像が見やすく次画面への展開操作がしやすい画面デザインや対象者の質問に対する回答の画面の追加が必要となった。そのため、アセスメントツールの流れを再度見直し、デシジョンツリー再構築を行った。骨子となるアセスメント項目に変更はないが、動作根拠を表示する画面を2段階にして必要時に表示できたり、リターンの画面短縮を図った。 現在、開発された追加修正可能なソフトを用いて、対象者が見やすく操作しやすい画面表示に変更し、予想される質問の根拠が随時に表示できる画面の工夫を行っている。また、調査者の誰もが画面に示された立ち上がり困難対象者の状況の根拠をわかりやすく説明し表示できるようタブレット型端末の操作時の手順書を作成している。開発したアセスメントツールの的確化について、立ち上がり困難者の現状との差異を確認する調査の前段階での改善を図ることになったため、より多くの対象者からの調査結果ではなくアセスメントツールの評価には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、立ち上がり能力を総合的に評価するプログラムを作成し、これをタブレット型携帯情報端末に導入し、アセスメント結果がリアルタイムで確認可能な “立ち上がりアセスメントツール”を開発することである。作成したアセスメントツールを、病院・高齢者施設の立ち上がり困難患者に対して試行し、本プログラムの有効性を検証したり、アセスメントツールを利用した看護師にインタビューし本ツールの使い勝手やプログラムの不具合に関する情報を得たりしてプログラムの完成度を高める。 立ち上がり困難者に対して試行しプログラムの有効性を検証するプレ試行の段階で改良点が見出され、随時修正できるソフトを利用する事で画面表示デザインや説明内容を追加修正することができる。 画面表示に関する事は調査時、随時に追加修正を行う。アセスメントツールのアセスメント項目や立ち上がり動作に必要な支援内容についてのプログラムの検証は、より多くの利用する立ち上がり困難者の状況の一致性や支援する看護師の使い勝手さの情報から行う。 そのため、画面デザインや説明タイミング、操作の利便性に否定的な感情が生じないようデザインの工夫や質問に対する説明方法、操作の容易性について改良を図り、プログラムの内容に対しての意見を主に収集できるようにする。現在、研究調査者の誰もが画面に示された立ち上がり困難対象者の状況の根拠をわかりやすく説明し表示できるようタブレット型端末の操作時の手順書を作成している。今後、この手順書を活用しアセスメントツールを導入したタブレット型情報端末を利用する看護師に本ツールの使い勝手さを調査し利用上の課題を明らかにする。また、看護自が捉えている立ち上がり困難者の状況とアセスメントツールを利用しての対象者の立ち上がりに対する状況の捉え方の差異を明らかにし立ち上がり支援の教育に活用していく。
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Causes of Carryover |
開発したアセスメントツールをタブレット型情報端末に導入する際のプログラムソフトは、画面表示において随時、修正が可能なものとした。プレ試行の段階で改善が必要となったため、予算範囲内で作成するには、研究者がアセスメントツールのデシジョンツリー再構築やタブレット型情報端末の画面表示段階やデザインを考案することとなった。修正追加が可能なプログラムソフトを入力し使用が容易であるタブレット型情報端末を用意したが、プログラムソフト作成費用の支払いは追加作成費用と合わせて完成時に一括支払いとなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
修正追加が可能なプログラムソフト作成費用の追加費用と合わせてを支払う。アセスメントツールを試行した立ち上がり困難者に対する謝礼やアセスメントツールを利用した看護師への謝礼として使用する。
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