2014 Fiscal Year Annual Research Report
救急収容要請通話における情報提示内容・提示順と諾否の判断に要する時間の関連性
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24590632
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉本 なおみ 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (70288124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80129650)
鈴木 昌 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265916)
岩野 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90571729) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 救急医療 / ホットライン応需 / 収容要請 / 情報伝達 / 救急医 / 救急隊員 / 救急車 / 病院前医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画最終年度である今年度は12000件分録音データの匿名化・文字化の完了を中心に研究活動を行う一方、救急搬送の中でも特に交通外傷例に対象を絞り、分析を行った結果、以下の2点の結果が得られた。
1.交通外傷負傷者の救急搬送時に救急車から医療機関へ伝達される情報:1007件の録音データから、交通事故負傷者の単独搬送応需例64件を抽出・分析したところ、(1)主訴(平均通話時間の25.9%)、(2)バイタルサイン(同13.8%)、(3)患者属性(同13.3%)、(4)受傷機転(同10.9%)、(5)事故のエネルギー(同5.2%)の順で各情報の伝達に時間が割かれていた。また、この5項目を網羅するのに必要な平均時間の合計は95秒であった。 2.外傷患者搬送時に救急隊員が使用する『記憶を助ける頭文字語』の適切さ:代表的な「頭文字語(mneumonics)」3編(MIST, GUMBA, ASHICE)に含まれる項目を、単独外傷患者の搬送依頼通話249件の内容と照合し、その適合度を探った。適合率が最も高いのは“ASHICE”(A = 患者の年齢、S = 患者の性別、I = 主訴(外傷)、C = 状態、E = 病院到着予定時刻)であったが、それでもまだ残りの重要伝達項目2点(既往歴・処置)が含まれていないことが判明した。これを踏まえ、全伝達項目を網羅する和文の頭文字語「通せ、ケガ先よ(と=歳:患者年齢、せ=性別:患者性別、け=経緯:受傷機転、が=外傷:主訴、さ=サイン:バイタルサイン、き=既往症、よ=予定:病院到着予想時刻)を提案した。
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Research Products
(2 results)