2013 Fiscal Year Research-status Report
大阪府に蔓延する多剤耐性結核菌を用いた結核菌感染性マーカーの開発
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24590651
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
田丸 亜貴 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (70270767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 壮吉 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30244073)
和田 崇之 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (70332450)
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Keywords | 多剤耐性結核菌 |
Research Abstract |
本研究では、大阪府内地域分子疫学の結果発見された感染性が高いと強く示唆される多剤耐性結核菌V02群株(以下、V02群株)をゲノム解析し、他の複数の結核菌ゲノム配列と比較することにより特異的遺伝子変異を検出し、結核菌感染性マーカーとなりうる遺伝子あるいは遺伝子変異を特定することを目的とする。 平成25年度は前年度に続きV02群株に特異的かつ形質に影響しうる変異を調査するため、①2002年大阪南部分離株、②2010年大阪北部分離株、③④V02株のうち唯一患者接触歴が確認できていたペアの2株、の計4株のV02群株について次世代シーケンサーで得られたゲノム情報を解析し、結核菌標準菌株H37Rvとの一塩基変異(SNP)を抽出した。その結果、結核菌標準菌株H37Rvと異なるSNPsは約1200か所あった。これらについては、アノテーション後にアミノ酸変異を生じる非同義変異かつ遺伝子に影響する変異を抽出中である。また、4株のV02 株間で8か所のSNPがあったので、現在、ダイレクトシーケンスによる確認を実施しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、Mapping解析後の方法および解析ソフトの選択に迷ったこと、V02 株間に思ったよりも多くのSNPが見つかり、その確認を重視したこと、また、他業務が通常年より多かったことから思ったほど成果を出すことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、以下の2点について研究を実施し、結果をまとめる。 ○4株のV02 株間で複数のSNPがあったことから、残りのV02 についてもゲノム解析をおこない、株間SNPの存在の確認とSNPから感染ルートを確認する。 ○SNPがあるとはいえ、V02 株が他のMDR-Mtbより多く伝搬していることはあきらかなので、引き続きV02 株の特異性を調査するためん、V02群株共通遺伝子変異のうち、アミノ酸変異を生じる非同義変異かつ遺伝子に影響する変異を抽出し、ダイレクトシーケンスで確認する。を実施し、結果をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シーケンスデータ解析用ソフトの購入についてH25年度中は購入を迷っていたため。 次世代シーケンス依頼費用として80万円、次世代シーケンサー配列解析用ソフトウエア費用として25万円ダイレクトシーケンス等の消耗品費として15万円、論文投稿等として20万円 旅費として10万円
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[Journal Article] Intra-subspecies sequence variability of the MACPPE12 gene in Mycobacterium avium subsp. hominissuis.2014
Author(s)
Iwamoto T, Arikawa K, Nakajima C, Nakanishi N, Nishiuchi Y, Yoshida S, Tamaru A, Tamura Y, Hoshino Y, Yoo H, Park YK, Saito H, Suzuki Y
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Journal Title
Infect Genet Evol.
Volume: 21
Pages: 479-483
DOI
Peer Reviewed
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