2013 Fiscal Year Research-status Report
活性酸素消去能に優れる白金ナノ粒子のDDS開発と転移性肝癌治療への応用
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24590670
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
勝見 英正 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30434666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00166779)
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Keywords | 薬学 / 薬剤学 / 薬物送達システム / ナノ粒子 / 白金 / 活性酸素 / 肝転移 / 肝疾患 |
Research Abstract |
本研究は、癌転移の病態の進展に活性酸素種が関与している点に着目し、活性酸素消去能と体内動態特性に優れた白金ナノ粒子を利用した転移性肝癌治療システムを開発することにより肝転移治療の改善と癌患者のコンプライアンス・QOL の向上を目指すものである。 初年度の平成24年度では、物性が異なる種々の白金ナノ粒子を作製し、それらの優れた活性酸素消去能及びマウスにおける肝臓非実質細胞(クッパー細胞、肝臓血管内皮細胞)選択的な体内動態特性を明らかにした。平成25年度では、活性酸素消去能に優れる白金ナノ粒子の肝臓選択的な体内動態特性を活かして肝転移モデルマウスに対する治療効果について検討した。 肝転移モデルマウスはホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を安定発現させたColon26/Luc細胞をマウスの門脈内に接種することにより作製した。Colon26/Luc細胞を接種した当日及び3日目において白金ナノ粒子を静脈内投与しその後の癌増殖をin vivo イメージングおよびルミノメーターを用いて評価したところ、肝臓における癌増殖は白金ナノ粒子の静脈内投与により顕著に抑制されることが示された。肝転移をはじめとする癌転移ではその病態に活性酸素が関与することが報告されている。したがって、白金ナノ粒子による肝転移抑制機構には、活性酸素消去能に優れる白金ナノ粒子が肝臓クッパー細胞などから産生される活性酸素を効率よく消去することによる癌細胞の接着および浸潤の抑制が関与しているものと推察される。 以上、活性酸素消去能に優れる白金ナノ粒子による肝転移治療の可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度では、活性酸素消去能に優れ肝指向性を示す白金ナノ粒子による肝転移抑制の可能性を明らかにすることを目標としていた。これまでに、作製した白金ナノ粒子を静脈内投与することによりマウスの肝転移が顕著に抑制されることを明らかにしており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに、活性酸素消去能および肝臓指向性に優れた白金ナノ粒子を作製することに成功し、肝転移モデルマウスにおける転移抑制効果を明らかにした。そこで平成26年度では、白金ナノ粒子による肝転移抑制機構及び安全性について評価する。すなわち、癌の転移では、活性酸素により発現が亢進するICAM, VCAMなどの接着因子が癌の接着に関与していることが報告されていることから、白金ナノ粒子のこれら接着因子や他の癌転移関連因子の発現への影響についてリアルタイムPCRなどを用いて評価する。安全性評価においては、白金ナノ粒子の肝臓移行後の排泄過程や連続投与後の毒性を体重変化、内臓機能の観点から評価する。以上のように白金ナノ粒子による治療効果、治療機構及び安全性を系統的に評価することで、有効性と安全性のバランスに優れた白金ナノ粒子による肝転移治療法を構築したいと考えている。
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Research Products
(7 results)