2012 Fiscal Year Research-status Report
市中で感染したMRSAの薬剤耐性および病原性解析とその治療戦略
Project/Area Number |
24590676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢野 寿一 東北大学, 大学病院, 講師 (20374944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國島 広之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60339843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 市中感染型MRSA |
Research Abstract |
市中感染型MRSA(community-acquired MRSA; CA-MRSA)の定義は、米国Centers for Disease Control and Prevention (CDC)の定めた臨床的定義しかないため、細菌学的特徴と乖離することが多く、疫学調査や、臨床の現場においてCA-MRSAの判定に混乱を来している。そこで、厳密にCA-MRSAの臨床的定義を満たす株について、耐性遺伝子解析、分子疫学的解析、病態解析を行い、CA-MRSAの細菌学的特徴を明らかにするとともに、臨床的定義の問題点、新たなCA-MRSAの定義あるいは判定基準について提言することを目的とし、CA-MRSAの収集を行った。 東北大学病院および関連病院にて、約48,000人の患者の入院時において詳細な問診をとり、入院歴、医療関連施設への入所歴、透析歴、手術歴、MRSAの感染歴・保菌歴がないこと等を詳しく調査、確認した。また、同時に鼻腔細菌培養スクリーニングを実施し、鼻腔スワブをMRSA選択培地に塗布し、MRSAの検出を試みた。 その結果、約1,000名の患者からMRSAが検出され、さらにこのうち103名の患者がCDCの定めるCA-MRSAの臨床的定義に該当した。この103株のCA-MRSAをピックアップし、DNA抽出、菌株保存を行った。 また、得られたMRSA株について、nuc geneの確認を行い、黄色ブドウ球菌であることを確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より、大規模な調査を行う事が出来たため、CA-MRSAの定義を満たす菌株の収集に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
CA-MRSA株の収集は終了したので、今後はこれらの株について、薬剤感受性試験、薬剤耐性遺伝子の検索と型別、SCCmecの型別、病原因子の検索、PFGEおよびMLSTによる疫学解析、細胞内侵入性の評価を順次、施行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は当初計画していた薬剤感受性試験、薬剤耐性遺伝子の検索と型別、SCCmecの型別、病原因子の検索を次年度に延期することによって生じたものであり、これらに必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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