2013 Fiscal Year Research-status Report
微小粒子状物質等大気汚染物質の健康影響(循環器、呼吸器疾患)に関する研究
Project/Area Number |
24590744
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野見山 哲生 信州大学, 医学部, 教授 (70286441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 照臣 信州大学, 医学部, 講師 (50377652)
津田 洋子 信州大学, 医学部, 助手 (80512904)
|
Keywords | 微小粒子状物質 / 光化学オキシダント / 大気汚染 / 健康影響 / 時系列分析 |
Research Abstract |
本調査は、PM2.5及び光化学オキシダントを主とした大気汚染物質が、循環器系疾患(脳血管疾患、心疾患)、呼吸器疾患(喘息)の救急入院数と関連があるかどうか、時系列分析を行い、明らかにすることを目的としている。調査地域は、PM2.5を始めとする大気汚染に関連した物質(SO2、NO2等)を測定している大気汚染常時監視測定局がある長野県上伊那地区の伊那市を中心に、循環器疾患、呼吸器疾患の救急入院数を把握し、これらのアウトカムの発症者数に、PM2.5、光化学オキシダントや他の大気汚染物質が寄与するかを検討する。その際、地域の温度等の交絡因子を調整する。平成24、25年度は本研究遂行のために、以下の必要データを集積するためのシステムの再構築について検討を続けた。 (1) PM2.5、光化学オキシダント、他の大気汚染物質:長野県環境部を始めとした関係機関と協議し、測定局で測定されている結果の円滑なデータの入手方法等の検討を行った。 (2) 循環器系疾患(脳血管疾患、心疾患)、呼吸器系疾患(喘息等)の発症者数:申請者等が行ってきた過去の研究、他の研究から、調査対象地域を最終的に環境曝露情報測定地を中心としたエリアの確定を検討した。その結果、環境曝露情報測定地を中心とした1,000km2のエリアとし、対象者を13万人とすることを最終的に確定した。 (3)インフルエンザ等の流行の把握:インフルエンザ等の呼吸器系の症状を発する感染症の流行は、今回の研究のアウトカムである呼吸系疾患に関して交絡因子となり得ることから、インフルエンザ、RSウィルスと行った感染症の流行実態を、長野県保健福祉部等の協力を得ながら正確に把握するための検討を進めた。 以上の準備を今後も進め、平成26年度に実施する、データの最終的な収集と分析を行うこととする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象地域はほぼ決定し、研究実績に記載した(1)~(3)について、平成26年度半ばまでのデータを得た上で、分析を行える、べく準備を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は平成24年度の研究実施計画に記された調査内容(ばく露因子、疾病発症、インフルエンザ等の流行の把握)に関して、引き続き調査を実施する。特に、各所から入手しているばく露データのチェックを行い、アウトカムである循環器系疾患、呼吸器系疾患の最終診断名について、精査を行う。その上で、PM2.5及び光化学オキシダントを主とした大気汚染物質が、循環器系疾患(脳血管疾患、心疾患)、呼吸器疾患(喘息)の救急入院数と関連があるかどうか、時系列分析を行い、明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
環境測定データ及び最終診断精査、一定のデータによる模擬解析等を最終年に実施するが、その量が当初計画よりも多いことから、最終年度に予算を繰り越した。 最終報告に向けて、環境測定データ及び最終診断精査、一定のデータによる模擬解析等を、平成25年から繰り越されたものも含み、最終年に実施する。その上で、最終報告に向けた最終的な解析を行い、報告書を作成していく。
|