2013 Fiscal Year Research-status Report
小児喘息患者におけるゲノムDNAメチル化異常の実態調査
Project/Area Number |
24590745
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堺 温哉 信州大学, 医学部, 委嘱講師 (20303555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 義彦 信州大学, 医学部, 助教 (40624713)
津田 洋子 信州大学, 医学部, 助手 (80512904)
塚原 照臣 信州大学, 医学部, 講師 (50377652)
稲葉 雄二 信州大学, 医学部, 准教授 (30334890)
野見山 哲生 信州大学, 医学部, 教授 (70286441)
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Keywords | 環境 / アレルギー / 喘息 / ゲノム / 大気汚染 |
Research Abstract |
本研究では、汚染物質のばく露によりgDNAのメチル化異常が発生し、これにともなう免疫異常が喘息発症に関与する、と仮説を立てた。その上で、小児喘息患者におけるgDNAのメチル化異常の実態と大気環境との関連性を明らかにする調査を計画した。 小児の喘息患者は近年増加傾向にあり、化学物質など環境因子の関与が推測されるが、現在まで科学的知見が不足し、因果関係など詳細は不明である、のが現状である。一方で、大気汚染地域に居住する小児喘息患者は対象地域に居住する患者に比し、制御性T細胞(Treg)のFoxp3プロモーター領域が高メチル化状態にあり、これによってTreg機能抑制、異常免疫が発生した、とし、大気汚染と喘息との関連を示唆する報告がなされている。又、汚染物質ばく露によるゲノムDNA(gDNA)のグローバルな低メチル化状態の発生が複数の研究で報告されている。グローバルな低メチル化は炎症性サイトカインの生産増加や、自己免疫疾患への関与が推測される。こうした背景から、既報を参考にメチル化解析の条件検討を行い、メチル化解析プロトコールの検討を進めている。また、調査対象者のリクルートについて、対象地域の病院の小児科と打ち合わせを行い、比較的短期間で一定の数のリクルートを行えるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メチル化解析のプロトコール確定まで予定よりも若干検討が遅れている。また調査対象者のプロトコール確定と準備に少し時間を要した。プロトコールが確定し、研究計画を3カ年以内に遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に採取した検体の処理を開始し、メチル化解析を実施する。すなわち、DNA抽出では協力研究者(昭和大学医学部衛生学教室 山野優子准教授 等)の協力を得る。リクルートによる検体採取は、計画時より多く複数の協力医療機関(甲府市立病院、順天堂大学医学部小児科・思春期科学教室、伊那中央病院)の先生に協力を依頼した。以上により、今後より期間を短縮してリクルートを進め、検体の測定を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度までメチル化解析プロトコールの検討を行ってきたが、メチル化測定の難易度の高さから、当初予定していたよりも、課題が多く、進度が遅れた。その為、本格的に測定を行うに到らず、予算を使用するに到らない経費が生じた。 平成26年度はメチル化解析プロトコールを前半のうちに確定し、得られた検体のメチル化分析を進めていく。使用額は平成26年度経費と合わせて試薬を購入、また、測定者等の協力者への謝金等に使用する予定である。
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