2012 Fiscal Year Research-status Report
アジアンダストの大気中二次生成有機有害化学物質への触媒作用に関する研究
Project/Area Number |
24590769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
唐 寧 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90372490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境分析 / 有害化学物質 / 大気汚染 / 化学工学 / 衛生学 |
Research Abstract |
本研究は発がん性/変異原性を有する多環芳香族炭化水素(PAH)が大気中における変質にアジアンダスト(黄砂)の触媒作用を明らかにすることを目的としている。今年は中国のタクラマカン砂漠,トングリ砂漠,ホルチン砂地及び黄土高原の4地点でバックグラウンド黄砂を採集して物性を評価し,PAHの曝露実験を行った。 黄土高原で採取された黄砂の比表面積が最も広く,全細孔容積が最も大きかった。4地点の黄砂の水抽出液はいずれもアルカリ性であり,タクラマカン砂漠とトングリ砂漠の黄砂の水抽出液中,塩化物イオンとナトリウムイオンの濃度が特徴的に高かった。一方,4地点の黄砂のジクロロメタン抽出液に,ナフタレン及びその酸化誘導体(水酸化体,ニトロ化体,キノン体)がいずれも検出されなかった。 反応性ガス(二酸化硫黄/二酸化窒素/オゾン)が非共存下,明(蛍光灯)と暗(遮光)曝露条件におけるナフタレンの黄砂への吸着量は,黄砂の比表面積の広さまたは全細孔容積の大きさに依存的に多くなり,物理吸着がメインであった。しかし,黄砂の曝露後のジクロロメタン抽出液からは1,2-naphthaquinoneと未知ピークが検出されたため,黄砂表面の触媒作用(化学吸着)は実証された。 反応性ガス共存下,明暗曝露条件とも,反応性ガスの非共存下と同様に,ナフタレンの黄砂への吸着量が比表面積または全細孔容積に比例して増減したが,単位重量当たりの吸着量は反応性ガスの非共存下より少なかった。対して,1,2-naphthaquinoneと前述の未知ピークだけではなく,1-nitronaphtharene, 1,3-dinitronaphtharene, 1,4-naphthaquinoneのピークと極性画分に新たな未知ピークが検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で同定されたナフタレンの酸化誘導体がいずれも変異原性か生殖毒性を有するものであったが,曝露実験で生成された未知物質については,同定並びに毒性評価まで至っていなかった。しかし,すべての計画地点でバックグラウンド黄砂が採集でき,同時に評価できたことは,次年度以後の研究を円滑に進展するための基礎となるため,おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)恒温恒湿条件における曝露生成未知物質の単離,同定と毒性評価を行う (2)異なるPAHでの繰り返し試験を行う (3)標準大気粉塵及びディーゼル排ガス粉塵を用いて比較実験を行うことにより黄砂への曝露反応の特異性を求める (4)異なる地点で採集された黄砂の構成成分を分析し,標準物質と比較実験することにより触媒作用の本体を明らかにする
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
曝露チャンバーの温湿度制御システムのメンテナンスが遅れたため,本年度の研究費に未使用額が生じたが,次年度にそれを交換して,本年度に行う予定であった研究計画と合わせて実施する。
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Research Products
(13 results)