2013 Fiscal Year Research-status Report
粉塵曝露に関わる腫瘍疾患・自己免疫疾患における免疫動態の包括的解析
Project/Area Number |
24590770
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 直子 川崎医科大学, 医学部, 助教 (00509276)
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)
藤本 亘 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50165429)
林 宏明 川崎医科大学, 医学部, 助教 (60388965)
李 順姫 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70414026)
松崎 秀紀 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80335463)
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Keywords | アスベスト / 石綿 / 悪性中皮腫 / シリカ / 珪酸 / 珪肺 / 強皮症 / 自己免疫 |
Research Abstract |
粉塵曝露関連疾患患者から血液検体の提供を受け、免疫機能の評価・解析を行った。年度前半は昨年度に引き続き、珪肺症患者(SIL)および全身性強皮症患者(SSc)の免疫機能解析を中心に行った。血液から血しょうを分離した後、調整した末梢血単核球(PBMC)からフローサイトメーター(FCM)と蛍光標識抗体を用いてTヘルパー(Th)細胞、Tキラー(Tc)細胞、NK細胞、単球系細胞を分離し、刺激前およびPMA・ionomycin刺激後の細胞を凍結保存した。またPBMCの細胞膜上免疫関連分子発現レベルについてFCMを用いて解析を行った。凍結保存した細胞からRNAを抽出し、リアルタイムPCRにより免疫関連遺伝子のmRNA量を広く解析した。SScやSILのTh上ではCTLA-4, CXCR3, IL-1R1が高く,CTL上ではCD25, CXCR3, FasL, HLA-DRが高かった。SScのThでは刺激後ThではIL-17 mRNAが高くTh17機能が亢進していた。TcにおけるGranzyme B, IFN-γ, FasL mRNA量はSScとSILの両群で高値であった。主成分分析による結果は、SILとSScにおける類似した免疫活性化とTh17関連遺伝子発現の差違の存在を示した。以上の結果はシリカ曝露が免疫賦活的に働いていること、SScではThやTcの活性化に加えてTh17分化が亢進していることを示す。免疫過剰活性化を基盤にしたTh17機能の亢進がシリカ曝露者における自己免疫疾患の機序として示唆される。年度後半、胸膜プラーク陽性者(PL)と悪性中皮腫患者(MM)から血液検体の提供を受けた、同様の解析に取り組んだ。現在、免疫関連遺伝子のmRNA量について現在解析中であり、完了次第、全体的な評価・解析を行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の前半は引き続き珪肺症および全身性強皮症患者の血液検体の収集とその解析を行い、また最終的に多変量解析を用いた統計解析を行い、両疾患における免疫動態の類似性と差違を明らかにすることができた。また後半については、胸膜プラーク陽性者と悪性中皮腫患者の血液検体の収集とその解析を行い、現在順調に継続中である。従って、当初の計画にそって、粉塵曝露関連疾患における免疫動態の解析が進行しており、研究は概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は収集した胸膜プラーク陽性者および悪性中皮腫患者の血液検体について引き続きリアルタイムPCRおよびluminex systemを用いた解析を行うことを予定している。解析が完了次第、統計解析を行い、胸膜プラーク陽性者と悪性中皮腫患者の免疫動態を評価・比較を行う。また、結果から更に別の免疫指標の評価が必要と判断された場合には、保存された細胞・上清・血漿などを用いて改めてmRNA量や分泌タンパク質などの測定を行い、より明確な免疫動態の把握を目指す。それらにより、粉塵曝露が関わる悪性中皮腫および全身性強皮症の予防・診断に寄与する研究成果を得るよう万全を期する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に国際学会の学会出張があり、出張旅費の支払いが次年度に必要で有ったため。 出張旅費として使用済み。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Exploration of biomarkers for asbestos exposure and occurrence of malignant mesothelioma based on the immunological effects of asbestos2013
Author(s)
Matsuzaki H, Lee S, Kumagai-Takei N, Hayashi H, Miura Y, Chen Y, Maeda M, Yamamoto S, Hatayama T, Nishimura Y, Otsuki T
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Journal Title
J Postgenomics: Drug & Biomarker Dev
Volume: S2
Pages: 1-6
DOI
Peer Reviewed
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