2014 Fiscal Year Annual Research Report
保健システム評価指標を用いた疾病の治療管理実態に関する研究
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24590785
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
池田 奈由 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 国際産学連携センター, 研究員 (20573603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 健司 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50322459)
野田 光彦 独立行政法人国立国際医療研究センター, 糖尿病研究部, 部長 (90237850)
野田 博之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招聘教員 (40432538)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保健指標 / 保健政策評価 / 非感染性疾患 / 生活習慣病 / 危険因子 / 薬物療法 / 日本 / 国民健康・栄養調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、海外で開催された統計手法に関する講習で取得した技術をもとに、我が国における高血圧と糖尿病、脂質異常症に対する薬物療法の効果を、人口レベルで数量化した。循環器疾患基礎調査と国民栄養調査、国民健康・栄養調査の個票データを用いて、高血圧は1986年以降、糖尿病と脂質異常症は2003年以降について分析した。横断面調査の観察データから治療効果を推定するための統計手法を応用し、30歳以上の患者集団における治療群と非治療群を共変量により関連付け、各患者の治療効果を推定した。推定された治療効果に基づき、患者集団において薬物療法により達成可能な最大の効果のうち、実際に達成された効果の割合と定義される有効カバレージ(effective coverage)を算出した。その結果、それぞれの生活習慣病について、薬物療法の治療効果と有効カバレージは改善傾向にあり、男女間の差はなかったが、30~64歳よりも65歳以上のほうが高い水準で推移していることが示された。また、都道府県間で高血圧の血圧管理率と有効カバレージに著明な差が見られた。このように、我が国における高血圧と糖尿病、脂質異常症に対する薬物療法の効果は改善傾向にあるが、年齢間や地域間の差は依然著明であった。以上の研究成果をもとに、雑誌投稿論文を作成するとともに、第25回日本疫学会学術総会で発表し、最優秀演題賞を受賞した。なお、研究協力者として、西信雄氏(独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター長)からの助言を得た。 今後、超高齢化社会における非感染性疾患による疾病負担を予防するための保健医療政策の一つとして、これらの重要な危険因子に対する薬物療法の治療率の改善および患者と臨床におけるコンプライアンスの向上への対策をより一層強化し、患者集団に対する薬物療法の効果の最大化と格差の解消を図ることが挙げられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Global, regional, and national prevalence of overweight and obesity in children and adults during 1980.2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013.2014
Author(s)
Ng M, Fleming T, Robinson M, Thomson B, Graetz N, Margono C, Mullany EC, Biryukov S, (中略), Ikeda N, (中略), Lopez AD, Murray CJL, Gakidou E.
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Journal Title
The Lancet
Volume: 384
Pages: 766-81
DOI
Peer Reviewed
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