2014 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルスの不顕性感染メカニズムの解明
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24590786
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩附 研子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (20376619)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ / パンデミック / 不顕性感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、インフルエンザウイルスに対する免疫記憶機構の解明を目的としている。2014年4月に健康なボランティア80人(年齢分布:25歳-59歳、平均年齢:39歳)から採血を行った。採血の際、同時にワクチン接種歴、インフルエンザ罹患歴等の情報についても収集した。得られた血清を用いて、2009年から2014年に分離された5株のpdmH1N1亜型のインフルエンザウイルスに対する抗体価を調べた。その結果、すべての株に対し高い抗体価を示すヒト、特定の株のみに高い反応性を示す抗体を有するヒト、どの株に対しても全く抗体価が上がっていないヒトに分類された。さらに、インフルエンザ罹患歴およびワクチン接種歴がないにも関わらず、高い抗体価を示すヒトが多数認められた。また、これまで2009年9月、2010年3月、2010年11月、2011年11月にも、同じ集団を対象として採血を実施してきた。この間、複数回採血に参加してくれているボランティアについて、pdmH1N1ウイルスに対する抗体価を解析したところ、インフルエンザ罹患の有無やワクチン接種の有無に関係なく、常に高い抗体価を保有しているヒトと、ワクチンを複数回接種しても全く抗体価の上がらないヒトがいることがわかった。これらの結果から、インフルエンザウイルスに対する抗体価が、ヒトにより大きく異なることが明らかとなった。今後は、これらの差に関わる要因について、解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに解析してきた抗体価の結果から、pdmH1N1亜型のインフルエンザウイルスに対する抗体価によるグループ分けを行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、抗体価の上昇に差を与える因子の解析を進めていく。
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Research Products
(4 results)