2012 Fiscal Year Research-status Report
眼科医の労働力分布:女性医師の離職に伴う労働分布の変化
Project/Area Number |
24590817
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小野 浩一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10317399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 晶 順天堂大学, 医学部, 教授 (90157743)
清宮 民彦 順天堂大学, 医学部, 助教 (60384088)
平塚 義宗 国立保健医療科学院, 医療福祉サービス研究部, 上席主任研究官 (80266014)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 医師分布 / 眼科 |
Research Abstract |
平成24年度は眼科医師の年齢・性別・専門医資格の有無・勤務地の所在地・勤務形態(開業医・勤務医・研修医)についてのデータベースを作成することに主眼を置いた。基礎となるデータは日本眼科学会の名簿をもとに、全国約1万2000名の眼科医を対象とした。名簿にはすでに専門医資格の有無・勤務地の所在地・勤務形態に関する情報が記されているため、それ以外の情報、即ち性別と年齢にいては、厚生労働省の医師等資格確認検索(http://licenseif.mhlw.go.jp/search/top.jsp) に名簿の名前を入力し、ここから医籍登録年度と性別情報を入手した。同姓同名がいる場合は勤務医療機関のインターネット上のホームページにアクセスするか、専門医取得年度を検索するなどして医籍登録年度の推定を行った。医師の年齢については医師検索システムからは入手できないので、医籍登録年度を26歳と仮定したうえで年齢を推定した。 さらに、政府が2年ごとに施行している「医師・歯科医師・薬剤師調査」では各職種の性、年齢、業務の種別、従事場所及び診療科名(薬剤師を除く)について調査を行っている。これらのうち公表されている、医療圏ごとの医師数と人口データを用いて二次医療圏ならびに一次医療圏あたりの眼科ならびに他の診療科の医師の分布について統計学的解析を行った。本研究は2013年1月にインドのハイデラバードで行われたアジア太平洋眼科学会議で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
厚生労働省によって公表されている「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると2010年度の主たる診療科に眼科を上げている医師(眼科医と定義)数は12,797名で全医師の約4.6%を占め、診療科40日のうち一般内科・整形外科・小児科・精神科に次いで多い。一方、医師の分布は二次医療圏の単位人口当たりの医師数をベ-スにロ-レンツ曲線を描き、Gini係数を計算しその分布を調べてみると、眼科医のGini係数は0.216となり、一般内科(Gini: 0.162 )・小児科(Gini: 0.179 )・一般外科(Gini: 0.206 )・整形外科(Gini: 0.211 )に次いで分布はよい結果を得た。同様に一次医療圏のデ-タ-を用いて医師の分布を調べてみると、眼科医のGini係数は0.346となり一般内科(Gini: 0.224 )・整形外科(Gini: 0.300 )・一般外科(Gini: 0.340 )に次いで分布はよい結果を得た。これらの成果は2013年1月にインドのハイデラバ-ドで行われたアジア太平洋眼科学会議で発表した。 しかしながら、眼科医の場合女性医師の割合が高いため、これらの分布が必ずしも眼科医師の労働分布を反映するものではない可能性がある。つまり、妊娠・産休・育休中でパ-トタイムでしか診療に従事していない女性医師も、通常診療に加え眼科救急医療を行う医師も統計学的には同様の扱いがなされており、今後はこれらを加味した統計解析が必要である。そのWeightをどのようにすべきか日本眼科学会・日本眼科医会協力のもと、眼科勤務医の勤務環境アンケート調査を行い平成25年度に調査検討を行うこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、日本眼科学会の発行する名簿から得られた情報(専門医資格の有無・勤務病院レベル・勤務地所在地)と厚生労働省の医師等資格確認検索システムより得られた情報(医籍登録年・性別)を連結する必要性がある。眼科の場合、勤務する病院・診療所により行う医療サ-ビスが異なるため、病院・診療所名だけでそれが一次医療機関、二次医療機関、三次医療機関を判定するのは困難である。本邦では、医療教育病院が高次医療機関であることが多いので、日本眼科学会が承認している眼科研修プログラム施行施設(基幹研修施設)を三次医療機関、研修施設(一般研修施設)を二次医療機関、その他を一次医療機関と定義することが理にかなう。これらの情報のデ-タベ-ス化を2013年12月末までに行いたい。 2013年4月~7月にかけては日本眼科学会・日本眼科医会協力のもと、眼科勤務医の勤務環境アンケート調査の草案を作成し、9月~12月にかけて各会員に送付・回収する予定である。2014年1月~3月にはデ-タの打ち込み・解析を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は主にデ-タの打ち込みに関わる人件費と統計解析ソフトに費用の多くを捻出する予定である。
|
Research Products
(2 results)