2013 Fiscal Year Research-status Report
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24590818
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
堀 真奈美 東海大学, 教養学部, 教授 (60349321)
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Keywords | 医療保障 / イギリス / 産業 |
Research Abstract |
厳しい財政制約の中、医療(広義の医療、健康関連を含む)を社会保障としてではなく、経済的自立性の高い産業分野として成長させようという動きが一部にある。だが、医療産業の振興がどのような社会的なインパクトをもたらすのか、また、社会保障制度としての医療とどのような関係にあるのか(両立可能か)など不明なところが多く、既存研究の蓄積が十分にあるとはいえない。以上より、本研究では、1)医療産業の振興政策の動向を把握、2)医療産業の振興政策(タイプ別)の評価、3)医療産業の振興策と社会保障制度の関係性の明確化を目的とした。なお、1)、2)については、平成24年度から平成25年度中盤にかけて実施し、3)については、平成25年度から平成26年度秋セメスターまで継続実施予定である。この際、日本だけではなく、公的枠組みの中での医療産業の振興をはかる英国との政策比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した目的に従い、研究を遂行している。概ね順調に進展しているが、医療産業促進の政策は複数あっても、社会保障と比べると規模が小さく、影響力が小さいということがわかり、推計を行う価値があまりないのではないかと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
医療産業の振興がどのような社会的インパクトをもたらすのか、また、社会保障制度とどのような関係性にあるのかは、社会的に重大な関心事であるにもかかわらず、既存研究の蓄積が十分になされていない。本研究は、この領域に関する先駆け的な研究となると同時に、今後の医療政策を検討する上での資料としての価値も高いと考える。また、日本だけでなく、比較対象として、英国の事例も収集することから、比較研究としての価値もある。だが、最終年度に実施する予定であった、複数シナリオ別に医療産業の振興が社会保障給付費としての医療費に与える影響の推計については、上記に記載したように、規模の大きさに違いがあることから、実施するかは再検討する。その代わり、医療保障と医療産業の両立に貢献しうる診療報酬に対するテクノロジーアセスメントの可能性および混合診療について複合的な視点から考察を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ当初の予定どおりであるが、為替レートの関係で若干の差額が発生した。最終年度では為替レート変動も考慮して、計画どおり全て支出予定である。 資料・データ収集のための消耗品費、国内旅費、国際学会参加費(旅費、会費等含む)に支出予定である。
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Research Products
(6 results)