2012 Fiscal Year Research-status Report
組織型別にみた卵巣がんの危険因子に関する症例対照研究
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24590826
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
西野 善一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 部長 (70302099)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 卵巣がん / 疫学 / 危険因子 |
Research Abstract |
本研究は日本人における知見が乏しい卵巣がんの危険因子について、宮城県立がんセンターの入院患者より症例および対照を選定した症例対照研究のデザインにより組織型別に検討し、卵巣がんの成因の究明や予防手段の確立に寄与することを目的とするものである。今年度は卵巣がん罹患者および対照への質問紙調査を実施するとともに、これまでの卵巣がん症例につき臨床、病理情報の把握を実施した。 具体的には本研究の開始以前より、同センターでは全ての初回入院患者に対し入院予約の際に対象者に自記式質問票を配布し記入後入院時に看護師が回収を行う方法で健康状態と生活習慣に関する調査を実施しているが、本年度も同様の調査を引き続き行ない、これまでの調査例と同様に卵巣がん症例と対照について職歴、がんをはじめとする疾病の既往歴ならびに家族歴、喫煙、受動喫煙、飲酒、食物摂取、運動などの生活習慣、体格、生殖歴等の特性に関する情報を得た。 対象者の栄養素摂取量の算出については、摂取量を計算するプログラムの不備に関して修正を行った後に本研究用の解析プログラムに組み込み、質問紙中の40項目の食物摂取頻度調査票の回答から対象者における各栄養素の摂取量が算出可能となるようにした。 また、卵巣がん症例について院内がん登録データとのレコードリンケージにより発見契機、診断根拠、組織診断、病期・進展度等に関する情報を得るとともに、組織診断に関する詳細について病理報告書からの抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に記述した平成24年度研究計画と比べ、卵巣がん罹患者および対照への質問紙調査の実施ならびに卵巣がん症例の臨床、病理情報の把握については当初の計画通りに進捗している。対象者の栄養素摂取量の算出に関しては、既成の計算プログラムを本研究用解析プログラムに組み込む作業の中でプログラムの不備が明らかとなったが、修正を実施して対象者の質問紙の回答から各栄養素が算出可能な状態に整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請時に記述した平成25年度研究計画では、平成24年度と同じく卵巣がん罹患者および対照者への質問紙調査、栄養素摂取量の計算、ならびに卵巣がん症例の臨床、病理情報の把握を継続して実施した上で解析用データセットを作成することとなっており、平成26年度には卵巣がんの危険(予防)因子となる可能性のある要因と卵巣がん罹患リスクとの関連を各要因について交絡となる要因を補正した上でロジスティックモデルによりオッズ比を算出することにより各組織型ごとに類似点と相違点を明らかにする計画となっている。 上記の当初計画に沿って引き続き研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
卵巣がん罹患者および対照者への質問紙調査に使う質問紙の印刷、得られたデータの入力にかかわる費用に使用するとともに、質問紙の整理、対象者の栄養素摂取量の計算、卵巣がん症例の臨床、病理情報の収集に関する人件費に用いる。またこれらの研究の実施に必要な物品の購入に使用する。 平成24年度は主に物品費や質問紙の印刷料について交付申請時に想定した費用を要しなかったが、次年度はこれらについて平成24年度をこえる費用が必要とみこまれるとともに、回答後の質問紙の整理、保存にさらなる費用が必要になると考えられる。
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