2014 Fiscal Year Research-status Report
インスリン大量投与による死亡例の剖検診断:インスリン製剤の検出法の開発
Project/Area Number |
24590873
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柏木 正之 福岡大学, 医学部, 准教授 (70301687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 健二 福岡大学, 医学部, 講師 (00090738)
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 助教 (00609480)
久保 真一 福岡大学, 医学部, 教授 (10205122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インスリン / GC/MS / LC/MS/MS / 低血糖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
インスリン製剤は合成インスリンとともに、数種類の保存剤、安定剤等を含有している。そこで、法医鑑定例において、インスリンの大量投与の際に検出され得る特異的な微量物質の検出法を確立することによって、インスリン大量投与による低血糖症の証明を、現段階では困難とされている、死体血、死体尿から行い、実際の法医鑑定への応用を目指すことを本研究の目的としている。 平成24年度から平成26年度で、法医鑑定例において、インスリン大量投与例の血液、尿を採取・保存し、投与の疑われるインスリン製剤の情報を収集すること、死体血、尿中のヒトインスリン及び合成インスリンのLC/MS/MSを用いた定量方法を開発すること、インスリン製剤に添加されている、防腐剤のフェノール、m-クレゾールや、安定剤である硫酸プロタミンなどの死体血、尿中におけるGC/MSやLC/MS/MSを用いた定量方法を開発すること、ヒトインスリン及び合成インスリンの分解物をLC/MS/MSを用いて定量する方法を開発する計画をたてた。 実際の法医鑑定例において、平成24年度はインスリン大量投与の疑われる事例があり、その血液、尿を保存し、投与の疑われるインスリン製剤の情報収集を行った。またこれまでに市販の代表的なインスリン製剤を購入し、それらを当教室の実際の法医鑑定例におけるスクリーニング検査の手法をもとにして抽出し、機器分析を行った。その結果、現在の手法により、GC/MSを用いて、m-クレゾールの検出は可能であることが確認され、応用することにより、その定量も可能であると考えられた。その他のインスリン製剤の含有成分や、分解物の最適な検出法についても、検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、LC/MS/MSを用いたインスリン含有成分の検出法の検討、インスリンの分解物についての検出法の検討を行うとともに、国際学会において発表する予定であったが、インスリンの分解物の標準品入手に時間を要したこと、他研究者との共同利用のため、LC/MS/MSの使用時間が制限されたこと等から、分解物の分析法の検討を行う時期がずれ込んだため、研究期間延長を申請した。研究期間延長が承認されたため、研究全体の達成度としては、支障のないレベルと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
分解物の標準品入手、当研究に必要なLC/MS/MSの使用時間確保の目途がついいたため、当初の研究実施計画のように、引き続き、インスリン大量投与例の試料採取と情報収集、インスリン含有成分の検出法の検討を行い、更にヒトインスリン及び合成インスリンの分解物についても検出法の検討を行う。本研究の成果は、国内及び海外の学会発表や、論文を投稿しての誌上発表を通じて、実際の法医鑑定への応用を目指すとともに、社会・国民に還元する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、LC/MS/MSを用いたインスリン含有成分の検出法の検討、インスリンの分解物についての検出法の検討を行うとともに、国際学会において発表する予定であったが、インスリンの分解物の標準品入手に時間を要したこと、他研究者との共同利用のため、LC/MS/MSの使用時間が制限されたこと等から、分解物の分析法の検討を行う時期がずれ込んだため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は分解物の標準品入手、当研究に必要なLC/MS/MSの使用時間確保の目途がついいたため、更なる消耗品の消費が想定されることから、次年度使用額は物品費として使用する予定である。
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