2013 Fiscal Year Research-status Report
ヘリコバクター・ピロリ関連胃発癌過程におけるゲノム異常生成機構の解明
Project/Area Number |
24590915
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 裕子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20452360)
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Keywords | 胃癌 / ヘリコバクター・ピロリ菌 / ゲノム異常 |
Research Abstract |
本研究では、胃上皮細胞への遺伝子異常を導入する活性をもつ遺伝子編集酵素Activation-Induced Cytidine Deaminase (AID)が、 ヘリコバクター・ピロリ菌感染からの胃癌発生過程に果たす役割を明らかにするとともに、胃癌発生過程に生じる遺伝子異常(genetic および epigeneticな変化)の全体像を解明することを目的とする。 具体的な研究計画として、AIDを過剰発現する胃上皮細胞(ヒト培養細胞・マウス)、ヘリコバクター・ピロリ菌を経口感染させた野生型マウスの胃上皮細胞、ヘリコバクター・ピロリ菌感染陽性のヒト臨床検体(慢性胃炎・胃癌)において、既知のすべての遺伝子DNA全エクソンの塩基配列と染色体異常(geneticな変化)およびDNAメチル化異常(epigeneticな変化)について解析を行い、胃上皮におけるAIDの持続発現の結果生じるゲノム異常生成・蓄積の全体像を明らかにするための実験を行う。 まず1年目では、上記マウスの準備を行い、AIDを過剰発現する胃上皮細胞の樹立およびヘリコバクター・ピロリ菌感染陽性ヒト胃臨床検体の収集を行った。2年目では、野生型マウスにヘリコバクター・ピロリ菌を経口感染させたものがようやく1年~2年経過し、胃上皮からDNAを抽出、各解析法にあわせてサンプル処理後、ゲノム異常解析を行っているところである。今後、マウス・培養細胞・ヒト臨床検体が準備できしだい、順次解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス、培養細胞、ヒト臨床検体の準備に時間がかかり、またデータ量が多いため、解析に予想よりも時間が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス、培養細胞、ヒト臨床検体が準備できしだい、順次ゲノム異常解析をすすめていく。現在、準備のできたマウス、培養細胞よりDNAを抽出し、ゲノムアナライザーや高感度CGHアレイを用いたゲノム異常の網羅的解析をすすめつつあるところである。今後はヒト臨床検体の準備を行い、同様にゲノム異常の網羅的解析を行っていく予定である。
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[Journal Article] A model of liver carcinogenesis originating from hepatic progenitor cells with accumulation of genetic alterations.2014
Author(s)
Soo Ki Kim, Yuko Matsumoto, Akihiro Nasu, Junji Komori, Takahiro Shimizu, Yasuko Minaki, Kenji Kohno, Kazuharu Shimizu, Shinji Uemoto, Tsutomu Chiba, Hiroyuki Marusawa.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: 134
Pages: 1067-76
DOI
Peer Reviewed
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