2012 Fiscal Year Research-status Report
消化器癌における新規癌関連遺伝子REICの機能解析と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
24590977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 博也 岡山大学, 大学病院, 助教 (60619039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 康一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (40610910)
白羽 英則 岡山大学, 大学病院, 講師 (40379748)
山本 和秀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90140491)
那須 保友 岡山大学, 大学病院, 教授 (20237572)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | REIC/Dkk-3 / 癌抑制遺伝子 / 癌遺伝子治療 |
Research Abstract |
膵癌細胞株ASPC1,MIAPaCa2,Panc1,BxPC3,SUIT2,KLM1,T3M4を用い、REIC発現をウエスタンブロット法により確認した。また膵癌臨床検体についてREIC発現を免疫組織染色で確認した。いずれの膵癌細胞株においてもREIC発現は低下していた。膵癌臨床検体においても、66.7%(14/21)において発現低下が認められた。アデノウィルスベクター(Ad-REIC)を用いてREICを強制発現させ、細胞数をMTT assayで、細胞死をHoechst染色により評価した。コントロール遺伝子にはLacZ遺伝子を用いた。膵癌細胞株へのREIC導入により細胞数は減少し(ASPC1;33.5±7.8%, MIAPaCa2;48.9±26.6%)、アポトーシスが亢進した(ASPC1;292.8±54.6%, MIAPaCa2;365±110.2%)。このデータをもとに動物実験を開始した。15匹のヌードマウスをcontrol群、Ad-LacZ投与群、Ad-REIC投与群の3群に分け、全てのマウス皮下に膵癌細胞株ASPC1を2×106/100L接種した。翌週形成された腫瘍に対してAd-LacZ群、Ad-REIC群に対してはベクターを1.0×10*9pfu局所投与、contorol群にはPBSを投与したのち、腫瘍のサイズを経時的に評価した。Ad-REIC投与群では、Ad-LacZ群に比べてやや腫瘍縮小の傾向(80.3±16.0%)であったが、有意な差としては認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroにおいて、難治癌である膵臓癌に対する治療効果が証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験を継続して行っていく。Ad-REICの投与量、投与回数の検討や、immunocompetentマウスを用いて、免疫学的機序に伴う癌ワクチンとしての治療効果も検討していく。また膵臓癌に限らず、肝細胞癌、胆管癌においての実験も推進予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部試薬などの未購入の物品があるため前年度からの繰越金が生じた。次年度はこれらの試薬に加え、実験動物の購入、各種ウェスタンブロットや免疫染色に用いる試薬、抗体の購入に使用する予定である。
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