2013 Fiscal Year Research-status Report
消化器癌における新規癌関連遺伝子REICの機能解析と臨床応用に関する研究
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24590977
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 博也 岡山大学, 大学病院, 助教 (60619039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 康一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (40610910)
白羽 英則 岡山大学, 大学病院, 講師 (40379748)
山本 和秀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90140491)
那須 保友 岡山大学, 大学病院, 教授 (20237572)
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Keywords | REIC/Dkk-3 / 膵臓癌 / 遺伝子治療 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
膵癌臨床検体についてREIC発現を免疫組織染色により検討したところ、66.7%(14/21)において発現低下が認められた。 また膵癌細胞株ASPC1,MIAPaCa2,Panc1,BxPC3,SUIT2,KLM1,T3M4を用い、REIC発現をウエスタンブロット法により確認した。いずれの膵癌細胞株においてもREIC発現は低下していた。アデノウィルスベクター(Ad-REIC)を用いてREICを強制発現させ、細胞数をMTT assayで、細胞死をHoechst染色により評価した。細胞数は減少し(ASPC1;33.5±7.8%, MIAPaCa2;48.9±26.6%)、アポトーシスが亢進した(ASPC1;292.8±54.6%, MIAPaCa2;365±110.2%)。ヌードマウス皮下に膵癌細胞株ASPC1を2×106/100μL接種し、翌週Ad-REICを局所投与し、腫瘍のサイズを経時的に評価した。Ad-REIC投与群ではコントロール群と比較して70.6±16.6%の有意な腫瘍縮小を認めた。 また膵臓癌細胞株へのREIC導入により、c-Jun N-terminal kinase pathwayの亢進が認められ、アポトーシス亢進に関与しているものと考えられた。さらに、mTOR pathwayへのfeedbackにより、autophagyを抑制している可能性が示唆された。 上記の研究結果は、第44回日本膵臓学会大会(2013年7月 於:仙台)において発表し、Young Investigator Awardを受賞した。さらにJournal of Gastroenterology and Hepatology 29: 973-983, 2014に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro、in vivoともに、難治癌である膵臓癌に対する治療効果が証明され、Journal of Gastroenterology and Hepatology誌に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
Ad-REICの投与量、投与回数の検討や、immunocompetentマウスを用いて、免疫学的機序に伴う癌ワクチンとしての治療効果も検討していく。現在はREIC蛋白による免疫学的抗腫瘍効果をin vitro、in vivoにおいて検証中である。また新規ベクターの開発も進んでおり、より導入効率の高いベクターを用いた実験も推進中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該施設内での組換えDNA実験計画書や動物実験計画書の認可に時間を要し、実験計画が年度を跨いだため。 実験動物の購入、実験に用いる試薬(抗体など)の購入、また学会発表のための出張費に用いる予定である。
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Research Products
(3 results)