2014 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌における新規癌関連遺伝子REICの機能解析と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
24590977
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 博也 岡山大学, 大学病院, 助教 (60619039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 康一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (40610910)
白羽 英則 岡山大学, 大学病院, 講師 (40379748)
山本 和秀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90140491)
那須 保友 岡山大学, 大学病院, 教授 (20237572)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | REIC遺伝子 / 遺伝子治療 / 消化器癌 / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん抑制遺伝子REIC の難治性消化器癌(肝細胞癌、膵癌、胆管癌)における発癌に関わる機能を解明すること、および遺伝子治療の標的分子となりえるか否かを明らかにすること、さらに、これらの結果をもとに臨床応用可能な治療法を開発するための基盤を確立するために本研究を行った。膵癌細胞株に対してはWestern Blotting行い、ヒト膵癌組織検体に対しては免疫染色を行い、ともにREIC発現の低下を認めた。REIC遺伝子の抗腫瘍効果に関する検討では、膵癌細胞株に対するREIC遺伝子導入により著明なアポトーシスが誘導され、その機序として、Western Blottingによる解析では、REIC遺伝子導入によりc-JunN-terminal kinase経路の活性化に伴う癌特異的アポトーシス誘導を引き起こしていることが証明された。膵癌細胞株を移植したxenograft マウスモデルにおいて、REIC 遺伝子導入治療は有意な腫瘍縮小効果を示した。さらにはautophagy を介して、化学療法との併用がさらなる抗腫瘍効果をもたらす可能性が示された。この効果発現の機序としてはREIC 導入によりmTOR シグナルが活性化され、autophagy を抑制することで薬剤耐性獲得阻害に働く可能性があると考えられた。これらの研究成果は、REIC 遺伝子治療が膵癌に対して有効な補助療法となる可能性を示しており、さらに遺伝子導入効率を高めた新たなアデノウィルスベクター(SGE-REIC)の開発により、さらなる効果が期待される。
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Remarks |
第44回日本膵臓学会においてPanCAN Young Investigator Awardを受賞
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Research Products
(3 results)