2012 Fiscal Year Research-status Report
心筋症における心筋蛋白遺伝子発現と運動耐容能評価による新規病態解明
Project/Area Number |
24591046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平敷 安希博 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10418741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 泰子(暮石泰子) 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60452190)
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70444403)
室原 豊明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90299503)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心筋症 |
Research Abstract |
研究の目的は、拡張型ならびに肥大型心筋症において、予後予測因子である運動耐容能を心筋病理の観点から明らかにすることである。運動耐容能は心収縮予備能との関連が強いことより、心筋病理における線維化、遺伝子発現との関連が推測されるが、これまで運動耐容能を心筋病理の観点より検討した報告はほとんどない。本研究は、運動耐容能と心筋病理との関連を明らかにし、心筋症における運動時心機能の病態解明を目指している。 2012年度は、うっ血性心不全患者における日常生活の新規アンケート指標が病状把握に有用であることを報告した。また、慢性心不全患者の疾患重篤度とPMADL8およびPeakVO2との関係について報告した。拡張型心筋症患者における運動終了直後のheart rate recoveryを評価することにより副交感神経の活性指標と心不全の発症予測について報告した。バイオマーカーの観点から、尿毒症物質の一つである末梢血インドキシル硫酸が左室拡張能と心イベント発症の予後予測に関連することを報告した。 近々掲載予定のものとして、肥大型心筋症において、高感度トロポニンTとトロポニンIを末梢血、大動脈血、冠状静脈血から採取・測定し、その値が心筋障害の程度や血行動態、あるいは心筋遺伝子発現Ca2+ハンドリングやミトコンドリア関連蛋白との関連を考察した。拡張型心筋症において、MRIによる心筋線維化と心筋病理標本から得られた心筋生検の線維化を比較検討し、拡張能との関連、さらには心筋遺伝子発現Ca2+ハンドリングやミトコンドリア関連蛋白との関連を検討し、現在投稿中である。 心筋症症例を蓄積し、ヒトの心筋病理から病態解明を継続しつつ、運動耐容能指標を重要視した臨床成果は着実に進行しておりその意義は高いものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文としての成果は、おおむね順調に進展していると考えている。現在の成果状況としては、研究実績の概要に記した。それ以外として、現在inpressの論文、投稿中の論文があり、それらが近々、論文として報告される予定である。その2つのまだ未公表論文については、心筋遺伝子発現Ca2+ハンドリングとミトコンドリア関連蛋白を主体に研究成果を報告した。1つは、肥大型心筋症において、心筋逸脱酵素バイオマーカーとして近年精度が高くなった、高感度トロポニンT、トロポニンIとの関連を調べたものと、もう一方は、拡張型心筋症において、心筋線維化との関連を調べたものである。いずれも、本研究内容に密接に関連するものであり、今後、さらなる研究の発展を期待できる内容である。研究体制は、伝統的に研究体制を整えており、特に新たな組織などを作る必要はなく、これまで通り進めていけばよいと考える。症例数に関しては、これまでの蓄積は豊富であるものの、今後を考慮するとさらなる症例数の蓄積が必要である。また、今後心筋生検からの蛋白測定につき、各専門チームと協議しすすめていくことを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き拡張型心筋症、肥大型心筋症症例を蓄積し、血行動態指標、血液バイオマーカー、MRI、心エコーによる画像解析、心肺運動負荷試験による運動耐容能評価、心筋遺伝子発現などの評価を継続的に行い、その後エビデンスに基づいた治療を継続することにより予後追跡調査を行う。各血行動態、運動耐容能指標と、心イベント発症との関連を探索する。各担当分野でのデータ管理、症例管理、病理組織管理などを継続し、定期的に現状報告を行い、研究進捗状況を確認していく。また、心筋の遺伝子発現蛋白として、良い抗体を探し蛋白発現を評価していくことを進める予定である。研究計画の変更は特にしない予定である。遂行課題としては、症例数がやや減少傾向であり、啓蒙活動を進めていく必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、2013年度の学会出張は、欧州への海外学会1回、国内での学会出張4回程度を見込んでおり、その出張費として400,000円を考えている。また、臨床研究に必要な備品、抗体などに200,000円、英文校正・論文投稿費として150,000円、コンピューター関連費用に100,000円を見込んでいる。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Increased 99m Tc-sestamibi Washout Reflects Impaired Myocardial Contractile and Relaxation Reserve during Dobutamine Stress Due to Mitochondrial Dysfunction in Dilated Cardiomyopathy Patients.2013
Author(s)
Hayashi D, Ohshima S, Isobe S, Cheng XW, Unno K, Funahashi H, Shinoda N, Okumura T, Hirashiki A, Kato K, Murohara T.
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Journal Title
J Am Coll Cardiol
Volume: 1
Pages: 1-2
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Epicardial fat volume correlates with severity of coronary artery disease in nonobese patients.2013
Author(s)
Okada K, Ohshima S, Isobe S, Harada K, Hirashiki A, Funahashi H, Arai K, Hayashi D, Hayashi M, Ishii H, Murohara T.
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Journal Title
J Cardiovasc Med
Volume: 1
Pages: 1-2
Peer Reviewed
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[Journal Article] Usefulness of serum cardiac troponins T and I to predict cardiac molecular changes and cardiac damage.2013
Author(s)
Okamoto R, Hirashiki A, Cheng XW, Yamada T, MD,1 Shuzo Shimazu ,Shinoda N, Okumura T, Takeshita K, Bando Y,Kondo T, Murohara T
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Journal Title
Int Heart J
Volume: 1
Pages: 1-2
Peer Reviewed
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[Journal Article] Dipeptidyl Peptidase-4 Modulates Left Ventricular Dysfunction in Chronic Heart Failure via Angiogenesis-Dependent and -Independent Actions2012
Author(s)
Shigeta T, Aoyama M, Bando YK, Monji A, Mitsui T, Takatsu M, Cheng XW, Okumura T, Hirashiki A, Nagata K, Murohara T
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Journal Title
Circulation
Volume: 126(15)
Pages: 1838-51
DOI
Peer Reviewed
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