2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30311757)
尾山 純一 佐賀大学, 医学部, 教授 (30359939)
今井 潤 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40133946)
坂田 泰彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379206)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 急性冠症候群 / コホート研究 / バイオマーカー / 慢性心不全 / ゲノム多型 |
Research Abstract |
本研究では仮面高血圧における血圧変動や心筋梗塞の発症時間における体内時計遺伝子の意義を明らかにするために、各疾患群での時計遺伝子の活性測定や時計遺伝子多型解析を行った。また、時計遺伝子欠損マウスを用い動脈硬化や心不全等の生活習慣病発症解析を行い体内リズム異常と循環器病の連関を検討した。 時計遺伝子(PERIOD-1、PERIOD-2、CRYPTOCHROME、BMAL-1、NPAS2、RORα、CLOCK)の健常群・高血圧・虚血性心疾患における活性測定とゲノム解析を行った。 ① 大阪大学を中心とする関連病院で急性冠症候群を対象とした予後追跡調査である大阪急性冠症候群研究会(Osaka Acute Coronary Insufficiency Study:OACIS)が進行している。OACIS遺伝子データベースを用いて、時計遺伝子多型の心筋梗塞の発症時間、および再発を含めた予後に対する影響を検討した。 ② 鹿島研究では1000名弱の住民健診者を対象にコホート研究を行っており、5年目の心血管イベント発症を解析した。鹿島研究では、通常の検診データに加え、動脈硬化、糖代謝、心不全のバイオマーカ―(高分子量アディポネクチン、ペントラキシン3、NT-PRO BNP等)を全例測定し、血液バイオマーカーと生活習慣病発症の関係を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常群での時計遺伝子活性測定に加えて、慢性心不全、睡眠時無呼吸患者における時計遺伝子活性の測定も順調に進んでいる。現時点でのプレリミナリーなデータでは、毛包細胞を用いた、時計遺伝子PERIOD-2やBMAL-1活性変動の評価では、健常群と疾患群で差があることが明らかになった。大阪大学でのOACIS研究における時計遺伝子のSNP解析も現在進行中である。 鹿島研究では、血中高分子量アディポネクチン値の低下が男性において、従来のメタボリックシンドローム発症リスクになることを報告し、International Journal of Cardiology誌に掲載された。又、社会保険浦之崎病院で行われている職域健診でも、PSQIを用いた睡眠調査と、高分子量アディポネクチンやNT-proBNP等の血液バイオマーカーの測定が終了し、睡眠やライフスタイルとの連関を現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度より、OACIS研究に佐賀大学病院も参加し、虚血性心疾患のより広いデータベースとなるように協力体制をつくる。我々が報告した方法(PNAS2010)で佐賀大学病院に入院した心筋梗塞患者を対象に30例で毛包細胞を用いた上記の時計遺伝子のmRNAの測定を行う。 時計遺伝子の基礎的検討 プロモーター解析 各時計遺伝子ゲノム多型が生理的な意義を有するか否かを検討するために、以下の実験を実施する。 (1)プロモーター多型:遺伝子発現調節領域であるプロモーターに多型が存在する場合、同遺伝子における転写レベルにおける影響を調べる。プロモーターとレポーター遺伝子を融合したコンストラクトを作成し、細胞に導入後レポーターアッセイを行う。概日リズムにおいて、周期・振幅・位相等を詳細に比較検討するために、プロモーター活性の長期リアルタイムモニタリングを行う。(2)イントロン多型:多型がイントロンに存在する場合、多型間で表現系が異なる原因として最も考えやすいのは、スプライシングの違いである。まず、多型間でスプライシングバリアントの発現パターンに変化が生じていないか検討する。違いがあるならば、各バリアントの産物(タンパク質)間での機能の違いを検討し、個体における表現系発生の機序を予測する。(3)エキソン多型:エキソン内に多型が存在する場合、その多型がmRNAの配列における違いのみを起すのか、もしくは産物であるタンパク質のアミノ酸配列にも違いをもたらすものなのか判別する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は研究費を以下の消耗品に充てる。心不全、心筋梗塞、睡眠時無呼吸症候群等の循環器疾患患者の毛包細胞の時計遺伝子活性測定に関して、mRNAの抽出や、PCR用の試薬に本研究費を使用する。 又、臨床検討での高分子量アディポネクチンやNT-proBNP等の血液バイオマーカー測定の為の試薬、抗体の費用に使用する。 時計遺伝子(PER2, BMAL-1等)のプロモーター多型の解析の基礎実験の為の、培養液や細胞の購入に本研究費を充てる。
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[Journal Article] A molecular clock regulates angiopoietin-like protein 2 expression.2013
Author(s)
Kadomatsu T, Uragami S, Akashi M, Tsuchiya Y, Nakajima H, Nakashima Y, Endo M, Miyata K, Terada K, Todo T, Node K, Oike Y.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 8(2)
Pages: e57921.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effects of sitagliptin beyond glycemic control: focus on quality of life.2013
Author(s)
Sakamoto Y, Oyama J, Ikeda H, Kuroki S, Gondo S, Iwamoto T, Uchida Y, Kodama K, Hiwatashi A, Shimomura M, Taguchi I, Inoue T, Node K; S-DOG investigators.
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Journal Title
Cardiovasc Diabetol.
Volume: 12
Pages: 35
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Predictive value of high-molecular weight adiponectin in subjects with a higher risk of the development of metabolic syndrome: From a population based 5-year follow-up data.2013
Author(s)
Kotooka N, Komatsu A, Takahashi H, Nonaka M, Kawaguchi C, Komoda H, Asaka M, Abe S, Taguchi I, Toyoda S, Nishiyama M, Inoue T, Node K.
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Journal Title
Int J Cardiol.
Volume: 167(3)
Pages: 1068-70
DOI
Peer Reviewed
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