2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591060
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30311757)
尾山 純一 佐賀大学, 医学部, 教授 (30359939)
今井 潤 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40133946)
坂田 泰彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379206)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
日内変動は体内時計ペースメーカーが生み出すと考えられており、この体内時計は「時計遺伝子」によって制御される。我々は時計遺伝子(PER2)活性調整にMAPキナーゼやカゼインキナーゼ(CK2)によるリン酸化が関与することを明らかにした。また遊離脂肪酸でRORαを介し時計遺伝子(BMAL-1)の遺伝子発現を誘導することも報告されている。一方で我々は臨床での毛根細胞を用いた時計遺伝子活性測定法も開発し、高血圧や癌発症が多いとされる交代勤務(シフトワーカー)群はデイワーカー群と比較して可逆的な時計遺伝子活性の位相偏位が生じることも明らかにした。 循環器疾患患者や、運動による時計遺伝子に対する影響を評価することを目的とした。外的環境が内的体内時計リズムにどのような影響を与えるかを検討した。 慢性心不全患者と睡眠時無呼吸患者の毛包細胞を採取し、健常群の時計遺伝子の活性を比較検討する。時間ごとのPER3のmRNAをRTPCR法で定量し、対照群との比較や、運動前後でのPER3の振幅や位相の変化を解析した。 同意を得たボランティアの健常人において、20時から22時までの間に、過度な運動を行った群と行わなかった群を対象にして、4時間おきに毛包細胞を採取し、PER3、Nrld2の三種類の時計遺伝子のmRNAを定量評価した。就寝前の過度の運動により、運動を行わなかった群に比較し、PER3の位相の偏位が有意に存在することが明らかとなった。一方、PER3の振幅は有意差がなかった。 過剰な夜間の運動がPER3の位相の変化をもたらし、それが体内リズムに影響を与え、睡眠の質に影響を与えることが示唆された。その機序は明らかではないが、二つの可能性が考えられる。一つは運動が体温を上昇させ、時計遺伝子の位相偏位を生じた可能性、二つ目は過度の運動がコーチゾールの分泌を上昇させたことである。
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