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2012 Fiscal Year Research-status Report

膜電位・細胞内カルシウム同時マッピングによる除細動後心室細動再発の機序解明

Research Project

Project/Area Number 24591076
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

丸山 光紀  日本医科大学, 医学部, 助教 (30333123)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords心室細動 / 除細動 / 細胞内カルシウム
Research Abstract

致死的不整脈である心室細動は電気的除細動が唯一有効な治療法だが、除細動後に心室細動再発を繰り返すことがあり心肺蘇生失敗の大きな要因となっている。
本研究は心室細動再発における交感神経刺激の役割を解明すべく、ウサギの正常心を用いて、交感神経刺激時の除細動後活動電位持続時間(APD)短縮の分布・ばらつきや時間的推移、Ca2+トランジェント持続時間(CaTD)との差異と心室細動再発との関係を調べた。除細動後、交感神経刺激時のみ不均一なAPD短縮が観察された。さらにCa2+過負荷を加えるとCaTDが延長し、APD短縮部位でのAPD・CaTDの差異が増大し、第3相早期後脱分極から心室細動の再発が観察された。この除細動後のAPD短縮はATP感受性K+電流(IKATP)阻害薬であるグリベンクラミドにより特異的に延長し、また心室細動再発が予防されることを見出した。本研究はランゲンドルフ還流下において実験を行うため心室細動中の心筋還流は維持されており、冠静脈洞流出液の乳酸上昇が見られないことから、このIKATP活性化は虚血以外の機序が想定された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請者の所属機関が所有している2台のカメラは垂直設置型で2方向から撮影を行っていたが、観察する光軸の角度が異なるため、それぞれのカメラで得られた膜電位と細胞内Ca2+のシグナル記録部位にずれが生じる。今回交付された助成金により共通の対物レンズで記録を行った後、Dichroic mirrorにて膜電位と細胞内Ca2+シグナルを分光するシステムを導入し、両シグナルの同軸撮影が可能となった。また従来、蛍光シグナルを励起する光源にCoherent社製緑色レーザーユニット(532 nm)を使用していた。しかし交付申請書にも述べたようにレーザー機器の不具合から現在使用不可となっており、再利用には多額のコストがかかることから、高輝度・高安定なLED光源を助成金により購入し、良好なシグナルを得ている。これらの新システムを用いて上記の研究実績概要で述べた知見を得た。

Strategy for Future Research Activity

心筋虚血以外の状況でIKATP活性化が起きる機序の同定のため、今後ウサギ心より得られた単離心筋細胞を用いてイソプロテレノール投与下に心室細動類似の高頻度パルスを一定時間与えた後に、同様のIKATPが再現可能か否か、海外の研究協力者に依頼し評価する予定である。
また正常ウサギ心を用いた実験では、Ca2+過負荷の状況を実験的に加えた場合のみ心室細動の再発が観察された。したがってより生理的な環境での心室細動再発における交感神経刺激およびIKATP活性化の役割は不明であり、本研究結果の意義や重要性に関わる問題と考えられる。そこで今後はウサギ心不全モデルをドキシルビシン間欠投与により作成し、不全心において交感神経刺激および心室細動誘発・除細動を繰り返すことにより正常細胞外イオン環境下においても心室細動再発が再現されるという仮説のもと実験を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費は主に実験動物や光学的マッピングで必要な試薬等の消耗品費に充てる予定。また不全心作成に当たってはモデル動物作成を受託している企業の支援も検討中である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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