2012 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈不安定プラークを同定するMRIとPETを用いた新しい分子イメージングの開発
Project/Area Number |
24591088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
野口 輝夫 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (70505099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 聡 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 部門長 (00431578)
飯田 秀博 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30322720)
山田 直明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤医師 (40393219)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イメージング / 動脈硬化 |
Research Abstract |
1)冠動脈FDG-PETと冠動脈CT検査の撮像技術の最適化:FDG-PETの撮像技術を最適化し冠動脈プラークの炎症の定量評価を行う基盤技術を整備した。 2)3テスラMRIを用いた非造影T1強調画像による不安定プラークの同定: 冠動脈近位部に50%以上のプラークを有する患者を、3テスラMRIを用いて非造影T1強調画像を撮像した。冠動脈形成術中に光干渉断層映像(optical coherence tomography: OCT)を用いて高輝度プラークの組織性状を評価した。その結果、30名の冠動脈プラークを良好に描出することができた。OCTによる評価で、T1強調画像にて高輝度に描出されるプラークは、不安定プラークの指標である薄い線維性被膜を高頻度に含んでいることがわかた。本研究によって3テスラMRIを用いたて高輝度に描出されるプラークは不安定プラークであることが強く示唆された。 3)1.5テスラMRI非造影T1強調画像法による冠動脈不安定プラークの描出:1.5テスラMRI装置および非造影T1強調画像法によって高輝度に描出される冠動脈プラークを有する患者を対象に、スタチンを服用させ、LDLコレステロールを80mg/dl未満まで強力に低下させた。このスタチンの作用によって、非造影T1強調で高輝度に描出されるプラークの信号強度が変化するかを観察する探索的前向き研究を実施した。その結果、スタチンによってLDLコレステロールを80mg/dl未満まで低下させた群は、投与前に比べてプラークの信号強度が平均23%低下した。一方、コントロール群は投与前に比べて信号強度が逆に20.6%増加した。この結果から、スタチンによるプラーク安定化作用の過程をプラークの信号強度の変化として定量化できることを世界で初めて報告した。現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)冠動脈FDG-PETと冠動脈CT検査の撮像技術の最適化:FDG-PETの撮像技術を最適化し冠動脈プラークの炎症の定量評価を行う基盤技術を整備した。 2)3テスラMRIを用いた非造影T1強調画像による不安定プラークの同定:3テスラMRI臨床機を用いて非造影T1強調画像を30例の患者を用いて撮像した。冠動脈形成術中に血管内超音波と光干渉断層映像(optical coherence tomography: OCT)を用いて高輝度プラークの組織性状を評価した。OCTによる評価で、非造影 T1強調画像にて高輝度に描出されるプラークは、不安定プラークの指標である薄い線維性被膜を高頻度に含んでいることがわかた。2013年は海外学会発表予定である。 3)1.5テスラMRI非造影T1強調画像法による冠動脈不安定プラークの描出:1.5テスラMRI装置および非造影T1強調画像法によって高輝度に描出される冠動脈プラークを有する虚血性心疾患患者を対象に、スタチンを服用させ、LDLコレステロールレベルを80mg/dl未満まで強力に低下させた。その結果、スタチンによってLDLコレステロールレベルを80mg/dl未満まで低下させた群は、投与前に比べて冠動脈の高輝度プラークの信号強度が平均23%低下した。一方、コントロール群は投与前に比べてプラークの信号強度が逆に20.6%増加した。この結果から、スタチンによるプラーク安定化作用の過程をプラークの信号強度の変化として可視化できることを世界で初めて報告した。現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床部門の成果であるMRIのプラーク評価は本年度中に論文化する。 基礎部門では、動脈硬化マウスモデルを用いて、動脈硬化巣に特異的に発現する標的分子をPETおよびSPECTプローブでラベルし、動脈硬化巣にhormingする画像診断技術を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PETおよびSPECTプローブでラベルされる標的分子の抗体を購入する。 剖検心を使用した心臓MRIによる基礎的研究において、剖検心使用にかかわる倫理委員会の認証が遅れたため、研究実施の開始が遅れ残金が生じました。尚、倫理委員会は5月中に認証される予定です。
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