2012 Fiscal Year Research-status Report
心筋梗塞後リモデリングにおけるタンパク質分解系の役割
Project/Area Number |
24591092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
薄井 荘一郎 金沢大学, 大学病院, 助教 (50507043)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心不全 / 心臓リモデリング / ユビキチンプロテアソーム |
Research Abstract |
MAFbx遺伝子欠損マウスとその同腹のワイルドタイプマウス(12から16週令)に対して容量負荷モデルを作成した。容量負荷モデルとして心筋梗塞をマウスに作成した。マウスを麻酔後(ペントバルビタール40mg・kg 腹腔内投与)、人工呼吸器管理下で開胸し、実体顕微鏡下に冠動脈左前下行枝を結紮し、肉眼的および心電図にて心筋梗塞の確認を行い閉胸した。術後、2、7、14、56日間観察後に心臓を摘出した。 野生型マウスに心筋梗塞モデルを作成し、1、2、4週間観察後心臓を摘出した。心筋梗塞および心筋梗塞後の心臓リモデリングがMAFbx発現に与える影響をウエスタン法、RT-PCR法にて評価した。mRNAレベルでのMAFbxの発現は、術後3日で低下し、14日以降sham群と同じ発現レベルに戻った。一方タンパクレベルでの発現は術後1日・3日目で有意に増加し、7日目にはsham群と同じレベルに戻った。タンパクレベルでの発現変化が、MAFbxの機能には重要であることから、心筋梗塞刺激によりMAFbxが増加していると考えられる。心筋梗塞に対するタンパクレベルの反応とmRNAレベルの反応が違うという結果からMAFbxの発現自身が、ユビキチンプロテアソーム系で調節されている可能性示唆される。 MAFbx遺伝子欠損マウスに心筋梗塞モデルを作成し、ワイルドタイプと比較を行った。MAFbx遺伝子欠損マウスとその同腹のワイルドタイプマウスの各群15匹で心筋梗塞後56日まで観察行った。それぞれの群で7日以内には心破裂、7日以降では心不全死(おそらくは肺うっ血)による死亡が確認されたが、現時点では両群間の生存率に有意差は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、予備実験の段階で、心筋梗塞後の肺重量(左心不全の指標う)がMAFbx遺伝子欠損マウスでその同腹のワイルドタイプマウスに比して増加していたので、MAFbx遺伝子欠損マウスとその同腹のワイルドタイプマウスの各群15匹で心筋梗塞を作成し、56日まで観察を行えば生存率に有意差を得ることができると予想していたが現時点では得られていない。また、MAFbxの発現レベルの検討においてmRNAレベルとたんぱくレベルでの発現に差がみられている。そのメカニズムについて詳細には明らかにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
生存への影響を明らかにするため、MAFbx遺伝子欠損マウスでその同腹のワイルドタイプマウスの各群15から20匹に心筋梗塞モデルを作成し、その影響を再度検討する。表現系を確定したのち、MAFbx遺伝子欠損による心臓細胞死にあたえる影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的な執行により端数が生じ未使用額となった。 MAFbx遺伝子欠損が心筋梗塞後のリモデリングに与える影響および生存率にあたえる影響が確定されたのちそのメカニズムの解析をおこなう。関与する因子を網羅的な解析をするため、DNAマイクロアレイを行う。また、マイクロアレイ法に同定したターゲット分子についてその発現をリアルタイムPCR法で確認するとともにウエスタン法でも評価を行う。心臓組織での発現を免疫組織染色法で確認する。 その成果を、国際学会等で発表し、広く研究者の意見を得られるようにする。
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Research Products
(1 results)