2012 Fiscal Year Research-status Report
敗血症性急性腎傷害におけるミトコンドリア由来ダメージ関連分子パターンの役割の検討
Project/Area Number |
24591194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
安田 日出夫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60432209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (30464126)
加藤 明彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 病院教授 (60324357)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 敗血症 / ミトコンドリアDNA / TLR9 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ミトコンドリアDNAがダメージ関連分子パターン(DAMPs)として敗血症による急性腎傷害(acute kidney injury : AKI)に関連するかを検討することである。H24年度に行った実験は以下に分けられる。 1、敗血症モデルの確立:マウスに対してCecal Ligation and Puncture (CLP)による敗血症モデルを作製。腎障害の指標としてCLP作成24時間後の血清クレアチニン値(0.41±0.05 vs 0.08±0.01 mg/dl, p < 0.05)、BUN (86.8±7.0 vs 22.5±1.44 mg/dl, p < 0.05)、腎組織障害スコアにてsham に対して有意に腎障害が惹起された。 2、血中ミトコンドリアDNA定量:血中のミトコンドリアDNAをPCR法によって同定し、定量法を確立した。shamに対してCLP 2時間後より有意に増加し、 24時間後までさらなる増加がみられた。 3、敗血症誘発AKI患者登録:ヒトにおける敗血症性急性腎障害症例においては、これまでに8症例に同意を得て検体を収集した。 このようにCLPによるAKIモデルの確立に成功した。血中ミトコンドリアDNA定量法を確立し、CLPで有意に増加していることを発見した。これは敗血症で全身循環しているミトコンドリアDNAがAKIに対する臓器障害に関連している可能性を示唆する。この現象をヒトに対して検証するためのサンプルも順調に確保されてきている。今後臨床検体サンプルにおいてもH24年度に確立した循環ミトコンドリアDNA定量法にて評価し、AKIや予後との関連を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度の目標として、1、マウス敗血症モデルの確立 2、血中ミトコンドリアDNA定量の確立 3、ヒトの敗血症性腎障害患者のサンプル収集を挙げていた。 安定したモデル作成が困難と言われているCecal ligation and punctureを敗血症モデルとして採用しているが、いくつかの作成条件を設定厳格化することで安定したモデル作りに成功した。また、最大の目標であった血中ミトコンドリアDNA定量法をマウスの微量な血漿で確立することができた。 しかしながら、より病態を反映したデータを検出するためには、抽出条件やプライマーの設定をさらに詳細に検討を重ねる必要があると思われる。 また、ヒトにおける敗血症性急性腎障害での血漿サンプル収集は着実に増えている。しかしながら、ヒトにおいて循環ミトコンドリアDNAの定量はまだ開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1、血中ミトコンドリアDNA量の推移をマウスの実験で詳細に検討する。 2、ミトコンドリアDNAがTLR9を介して実際に腎傷害などの臓器障害に寄与しているかを検討する。具体的には、まずTLR9ノックアウトマウスがこれまでの報告通り敗血症惹起しても急性腎傷害の程度が軽度であることを確認する。ミトコンドリアDNAを注入することで急性腎傷害が惹起できるか検証する。さらに、ミトコンドリアDNAで惹起された急性腎傷害がTLR9ノックアウトマウスで軽減されるかを評価する。 3、ヒトの敗血症性急性腎傷害の検体を収集を継続しつつ、ヒトにおける循環ミトコンドリアDNAの定量を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1、ミトコンドリアDNA定量に必要なPCRを行うのに要する消耗品 2、TLR9ノックアウトおよびワイルドタイプのマウスの飼育、モデル作成に伴う消耗品 に使用する。
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