2013 Fiscal Year Research-status Report
転写因子MafBによる腎性二次性副甲状腺機能亢進症の制御
Project/Area Number |
24591223
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森戸 直記 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70463825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 景堯 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90323302)
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Keywords | 二次性副甲状腺機能亢進症 / 慢性腎臓病 / CKD-MBD |
Research Abstract |
慢性人工透析患者は現在約30万人、高齢化もすすみ患者のQOLや合併症の予防のためにもCKD(慢性腎臓病)における骨ミネラル代謝異常(CKD-Mineral and Bone Disorder: CKD-MBD)は大きな問題となっている。CKD-MBDは骨の病変を生ずるだけでなく、長期的には血 管を含む全身の石灰化を介して生命予後にも影響を及ぼすことが、近年注目されている。特に二次性副甲状腺機能亢進症はCKD-MBDで も頻度が高く重要な病態である。 本研究では、成体の副甲状腺における転写因子Mafb の機能を明らかにし、腎性二次性副甲状腺機能亢進症におけるMafbの役割を解明することである。これらの結果からMafbが腎性二次性副甲状腺機能亢進症の治療ターゲットとなる可能性がある。 平成25年度はマウスでも引き続きMafbの副甲状腺における機能の解析を行った。 アデニンを給餌することによりマウスに腎不全を発症させ、腎性二次性副甲状腺機能亢進症を誘導した。Mafb+/-、野生型マウスではほぼ同等の腎不全が誘導された。Mafb+/-、野生型マウスで比較したところ、野生型マウスでみられた血清intact-PTHの上昇は、Mafb+/-マウスでは抑制されていた。組織学的検索では副甲状腺のサイズはMafb+/-マウスでその増大が抑制されていた。副甲状腺のRT-PCRを行ったところCyclinD1の発現には差がなくcyclinD2の発現に差異がみられた。PTH、CyclinD2には、Mafbの結合配列の存在しておりそれらの転写制御を介して腎性二次性副甲状腺機能亢進症の発症にMafbが関わっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスでの解析で二次性副甲状腺機能亢進症でMafbの役割が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
副甲状腺にMafbを過剰発現したマウスで副甲状腺機能が変化するかを確認し、そのメカニズムを明らかにする。また、野生型とMafb+/-の腎不全負荷のかからない状態でその機能に差がないかを調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子改変マウスの作製が次年度にずれ込む見込みとなったため、その購入と作製費用を次年度に繰り越すことになった。 遺伝子改変マウスの購入と作製費用に使用する予定である。
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