2012 Fiscal Year Research-status Report
神経型アセチルコリン受容体を標的とした自己免疫性神経疾患
Project/Area Number |
24591253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (10272981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 茂 金沢大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00210633)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アセチルコリン受容体 / 神経細胞 / 自己抗体 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
本年度は、神経型アセチルコリン受容体抗体(nAChR)測定系の開発を進めた。ヒト脳組織より抽出したRNAからcDNAライブラリーを作成し、PCR法を用いてnAChR(α:2, 3, 4, 5, 6, 7, 10, β: 1, 2, 3, 4)をクローニングした。そのcDNA断片を用いて哺乳類細胞におけるタンパク発現プラスミドを構築した。次にこれらのプラスミドをCOS-7細胞に導入して、一過性過剰発現細胞系を確立した。また、HEK293細胞にプラスミドを導入して安定過剰発現細胞株を樹立した。これらを用いて、免疫蛍光抗体法によるnAChR測定系の開発に取り組んだ。 その結果、遺伝子導入COS-7細胞、HEK293細胞を用いて、患者血清の抗nAChR抗体の半定量測定系を確立することが出来た。nAChRの中でもα3に注目し、これに対して自己抗体をもつ自己免疫性自律神経性ガングリオノパチー(autoimmune autonomic ganglionopathy: AAG)患者血清をサンプルとして、免疫蛍光抗体法による抗体測定とその特異性をCOS-7細胞、HEK293細胞から抽出したタンパクを用いてWestern blot法で確認することが出来た。また、α3とβ4サブユニットを共発現させたHEK293細胞において希釈患者血清中のIgGが、α3β4受容体に結合することを明らかにした。さらに、希釈患者血清を37℃で反応させると、ヒトIgGとα3がともに細胞表面から細胞質内に移行することを明らかにした。 これは、AAG血清中のIgGが、培養細胞表面上のnAChR(α3β4)に結合した後、細胞質内に取り込まれることを証明したもので、自己免疫性神経疾患の自己抗体による細胞障害機序を示し、神経症状が出現する過程を説明するものとして意義あるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の課題であった神経型アセチルコリン受容体測定系の開発と検証が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 抗神経抗体を持つ可能性のある患者血清の抗神経型アセチルコリン受容体抗体のスクリーニング 2. 抗神経型アセチルコリン受容体抗体の細胞傷害機序の解析 3.α3サブユニットに対する自己抗体を持つ患者の自律神経機能の評価。簡便で感度の高い自律神経機能検査法の開発
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
自己抗体スクリーニングと細胞傷害機序解明のための試薬、消耗品類の購入 簡便で正確な自律神経機能評価のための基礎研究の推進に必要なデータ解析のための機器等の購入
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Research Products
(16 results)