2014 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病発症因子解明のための戦略:機能分割と再統合
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24591346
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
馬場谷 成 近畿大学, 医学部, 講師 (10449837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博司 近畿大学, 医学部, 教授 (20221062)
川畑 由美子 近畿大学, 医学部, 准教授 (80423185)
能宗 伸輔 近畿大学, 医学部, 講師 (90460849)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 疾患感受性遺伝子座 / NSYマウス / コンソミックマウス / コンジェニックマウス / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで作製し報告してきたコンソミック(Babaya N et al., Diabetologia 53:1362-71, 2010)のターゲットとなる疾患感受性領域は比較的広く、より限局化された領域・遺伝子として同定するために、新たなモデルの樹立を行った。本年度は、より限局化された糖尿病感受性領域を有する系統(14番染色体コンジェニック)の全解析を終了させ、論文投稿を行った(Babaya N, et al., BMC Genet 15, 2014, 1-10)。 14番染色体コンソミック(R0)、14番染色体コンジェニック1(R1)、14番染色体コンジェニック2(R2)は、C3Hマウスに比し、負荷後血糖の有意な上昇を認めた。耐糖能障害の程度はR0で最も強く、R1とR2はともに中程度の耐糖能障害を示した。R0、R1、R2いずれにおいても空腹時インスリン値はC3Hマウスに比し高値であり、インスリン負荷試験における血糖低下反応が悪く、インスリン抵抗性の存在が示された。糖負荷後のインスリン反応は、R0、R1、R2のいずれにおいてもC3Hと有意差を認めず、インスリン分泌障害はこれらの系統における耐糖能障害の主たる原因ではないことが示唆された。体重・腹腔内脂肪はR2においてのみC3Hマウスに比し有意に重く、体重に対する腹腔内脂肪率は、R0、R1、R2のいずれにおいてもC3Hマウスに比し有意な上昇を認めた。R0、R1、R2、C3Hマウスにおけるレプチン濃度は、腹腔内脂肪量と有意な正の相関を、アディポネクチン濃度は、有意な負の相関を示した。NSYマウスにおけるレプチン濃度も、腹腔内脂肪量と有意な正の相関を示したが、その脂肪量の多さに比べるとレプチン濃度は、それほど上昇しなかった。NSYマウスにおけるアディポネクチン濃度は、腹腔内脂肪量と相関を認めず、異常な高値を示した。以上の結果から、14番染色体上にマップした糖尿病関連遺伝子が複数のコンポーネントにより構成されていることが証明された。
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