2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591390
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小埜 良一 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40422414)
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Keywords | 白血病 / エピゲノム |
Research Abstract |
平成25年度は、異常造血において重要な役割を担っているという応募者独自の先行的知見や他の研究グループから最近報告された治験も踏まえ、昨年度に作製しておいたエピゲノム制御遺伝子のflox/floxマウスを用いた実験を進めた。このマウスから造血幹細胞や前駆細胞をセルソーターにて純化、採取し、まずMLL融合遺伝子などによる白血病関連遺伝子を導入して、コロニーリプレーティングアッセイを用いて、不死化した後に、レトロウイルスでCreの遺伝子導入を行ってみた。ある程度予想されたものの、レトロウイルスによって高発現しているCreの細胞毒性が今回の実験系においても、少なからず問題となり、適切なコントロールをとるのに、いくらか試行錯誤を要した。様々なCreおよびそのベクター自体の改変などの工夫を試みたところ、我々の先行的知見には合致するものの、他のグループの報告した知見には含まれない興味深い表現型の変化が得られた。そこで、さらに、骨髄移植実験モデルを構築し、二次移植における表現型の変化について、検討する準備を進めている。 一方、個体レベルにおける、異常造血およびその対照としての正常造血の解析を見据えて、誘導型Cre発現マウスとの交配を進めた。当初、予定していたCreERT2マウスに関しては、その入手において、海外の実験動物業者との複雑な交渉等が必要となり、予想外の時間を要したが、現在までに完了し、今後、CreERT2マウスを実際に導入して、交配を進めていく予定である。その代替として、Mx1-Creマウスとの交配を行い、現在Cre活性を誘導した状況における種々の解析を進めている。さらに、幹細胞特異的白血病モデルマウスとの交配も行い、多角的に白血病発症におけるエピゲノム制御遺伝子の役割を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、コンディショナルノックアウトマウスの最終的な交配に関して、CreERT2マウスの代替としてMx1-Creマウスに関して、ほぼ順調に完了させ、予定された解析にもすでに着手できている。一方、白血病発症に関する細胞レベルの解析に関しては、Cre発現による表現型の解析からは、一定の成果が得られた。以上の状況から、研究実施計画に照らし合わせ、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、樹立したコンディショナルノックアウトマウス(Mx1-Cre)を用いて、個体レベルにおける正常、および異常造血に対するエピゲノム制御分子の果たす役割の解析を詳細に進めていく。一方で、細胞レベルの解析で得られた知見を生体レベルでも確認できるかも含めた解析を行う上でも欠かせないCreERT2マウスと交配したコンディショナルノックアウトマウスも作製し、別の角度からも精度の高い解析を進めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CreERT2マウスの海外からの導入に際して、予想外の時間を要し、その導入に関わる費用の一部と、この交配をして得られる予定のマウスの実験に関する諸費用の合計が、差分として生じた。 当初予定通り、CreERT2マウスを導入し、交配を進め、得られたマウスを用いて、種々の解析に用いるを進めていく予定である。
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[Journal Article] Plzf drives MLL-fusion-mediated leukemogenesis specifically in long-term hematopoietic stem cells.2013
Author(s)
Ono R, Masuya M, Nakajima H, Enomoto Y, Miyata E, Nakamura A, Ishii S, Suzuki K, Shibata-Minoshima F, Katayama N, Kitamura T, Nosaka T.
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Journal Title
Blood
Volume: 122
Pages: 1271,1283
DOI
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