2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591477
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
賀来 満夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40224357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國島 広之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60339843)
金光 敬二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90277971)
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Keywords | 感染制御学 |
Research Abstract |
感染症の問題は医療関連施設にとどまらず、広く地域社会全体の危機:クライシスと認識されるようになってきており、感染症に対する危機管理体制の構築が必要不可欠な状況となっている。 昨年度には香港のCenter for Health Protection(CHP)を訪問したことにより、本邦における感染制御及び感染症危機管理においては地域単位での情報の一元化、関係部署と病院間のネットワーク強化が必須であると感じられた。ネットワークが強固になればノロウイルスやインフルエンザのアウトブレイク対応のみならず、風疹や麻疹、高病原性インフルエンザ感染対策を含めた対応であっても効果的な対策が可能になると考えられた。 そこで、本年度は専門家のネットワークの構築と、感染症危機管理専門家の育成並びに啓発教育を主軸に研究を行った。 前者については専門家同士の連携強化を図る目的で海外から感染対策のエキスパートを講師に迎え、全国の基幹施設において感染症治療に従事する指導医や感染管理の責任者を対象にした感染症疫学セミナーを開催した。感染管理の責任者からは各々の施設が抱える問題点等について活発に意見交換が行われ、特に意見の多かった看護師向けの滅菌・洗浄に関しては次年度に講習会を開催する予定であり、各職種に応じた更なる専門家の育成につながると考えられる。 後者については継続的に社会福祉施設、介護施設等の現場に赴き施設のラウンドや実践的な感染対策を講じ感染症の発生及び拡大防止対策の強化を図っており、また、感染対策マニュアルを作成、配布しウェブサイト上でも同一の情報の提供を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では、大学と基幹施設との連携強化及び質の向上、啓発教育用のプログラム・カリキュラムの企画・開発を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には東北地域において、感染症危機管理対応及び人材育成・啓発教育プログラムを包括した感染症危機管理地域ネットワーク活動を実践する。 東北地域における包括的な感染症危機管理地域ネットワーク活動の実践について、地域の医療関連施設、行政担当部署、一般市民、メディアを結ぶ包括的なネットワークを構築し、具体的な感染症事例に対して感染危機管理対応システムを実践する。さらに、感染症危機管理対応コースを開設し、短期・長期セミナーの開催、一般市民・メディアを含めた地域フォーラムなどを開催し、地域における実践教育を含めた人材養成を図る。 東北地域におけるネットワークに加えて、国内外の感染制御に関するネットワークを構築することにより、連携強化及び質の向上、人材育成を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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