2014 Fiscal Year Research-status Report
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24591477
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
賀来 満夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40224357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國島 広之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60339843)
金光 敬二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90277971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感染制御学 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症の問題は医療関連施設にとどまらず、広く地域社会全体の危機;クライシスと認識されるようになってきており、感染症に対する危機管理体制の構築が急務となっている。事実、26年度にはアフリカで過去最大のエボラウィルス感染症の発生や、デング熱の日本上陸について連日報道され、もはや感染症は遠く海を越えた先の出来事ではなく身近な危機になり得ること、また、急速に進む感染症のグローバル化に対応できる確固たる体制の整備が遅れていることが多くの国民に不安を伴って知られることとなった。 本研究はとくに東北地域においての感染症危機管理対応や人材育成に主眼を置いていたが、このような状況を受け、本年度はエボラウィルス(一類感染症)への実際の対応・体制の整備と、正しい感染症の知識の伝達、リスクコミュニケーションに関する活動を行った。 まず、アフリカでのエボラ対策の活動経験のある医師・研究者と交流・意見交換を行い、現地の現状および課題を把握し、リスク評価を行った。その上で、患者発生対応フローの策定、各種訓練、必要資材等の確認を行った。 なかでも防護服の着脱訓練は重要なアウトブレイク対応トレーニングの一つであるが、その方法は多様であり、現場での対応が想定される医療者、行政担当者の混乱要因となっていた。そこで、国境なき医師団の実際の着脱方法や国立感染症研究所が公開している着脱方法について調査し、専門家・行政と議論を重ねた上で、当地域での防護服着脱方法を一元化し、伝達講習やトレーニングを行った。加えて、行政と共に一般市民に向けたセミナーを開催し、感染症に対する正しい知識と備えについての啓蒙活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症危機管理ネットワークの連携強化及び質の向上については一定の成果を得られたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
東北地域において感染症危機管理対応及び人材育成・啓発教育プログラムを包括した感染症危機管理地域ネットワーク活動を実践する。 東北地域における包括的な感染症喫管理地域ネットワーク活動の実践について、地域の医療関連施設、行政担当部署、一般市民、メディアを無ずぶ包括的なネットワークを構築し、具体的な感染症事例に対して感染症危機管理対応システムを実践する。さらに、感染症危機管理対応コースを開設し、短期・長期セミナーの開催、一般市民・メディアを含めた地域フォーラムなどを開催し、地域における実践教育を含めた人材養成を図る。 東北地域におけるネットワークに加えて、国内外の感染制御に関するネットワークを構築することにより、連携強化及び質の向上、人材育成を図る。
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Causes of Carryover |
26年度は東北地域における人材育成・啓発教育プログラムを包括した感染症危機管理地域ネットワークの活動を行う予定であったが、アフリカで過去最大のエボラウィルス感染症が発生し、日本国内・宮城県内の体制整備等を行っていたため計画に遅れが生じ、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外の学会に参加するなど、人材の交流・育成に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)