2012 Fiscal Year Research-status Report
宿主自然免疫応答に作用するプリオンの感染メカニズムの解明
Project/Area Number |
24591482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石橋 大輔 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10432973)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プリオン / IRF3 / ISGs |
Research Abstract |
平成24 年度では、プリオン感染によるIRF3 抑制機構の解明およびプリオン感染におけるIRF3 を介するシグナルカスケード中の重要な因子を特定することより、1)プリオン感染によるIRF3 抑制機構を解明について検討を行った。まず始めに、異常型PrPは核内にも存在するということから、我々はIRF3の転写に着目して検討を行った。レポーターアッセイにより、マウスIRF3のプロモーター領域を転写開始部位の上流500bp内においてコア領域を同定した。この領域における特有の転写因子の重要性についてクロマチン免疫沈降法等により確認し、プリオン感染時の影響、プロモーター領域に関わる転写因子とのさらなる因果関係についてもゲルシフトアッセイ(EMSA)法などを用いて検討する予定である。一方、翻訳に関わる宿主の因子との関係についても検討する予定である。次に、2)自然免疫関連候補因子とプリオン感染との関係性について検討を行った。in vitroの系におけるプリオン感染モデルでの自然免疫関連候補因子の挙動について検討するために、非感染培養細胞にプリオンを感染させ、候補因子の発現を経時的にリアルタイムPCR、ウエスタンブロット法にて確認し、因子の選定について検討を行った。結果、複数のIRF3を介したシグナルカスケードの下流に位置するinterferon stimulated genes(ISGs)の重要性を確認した。さらに、この候補因子のプリオン感染への影響について検討し、異常型PrPの発現を抑制する候補因子の絞り込みの実験を行った。本実験によって得られた新たな知見は、これまでにプリオン感染において関与を示唆する報告は無く、全く新しいものである。今後、それらの候補因子の重要性について深く検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載している平成24年度の項目に沿った実験内容から、結果を得ており、尚且つ新規候補因子の選定にまで実験が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、おおむね順調に進展しているため、交付申請書に従って実験内容を検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に残した検討課題であるプロモーター領域とプリオン感染との関与についてこの領域における特有の転写因子の重要性についてクロマチン免疫沈降法等により確認し、プリオン感染時の影響、プロモーター領域に関わる転写因子とのさらなる因果関係についてもゲルシフトアッセイ(EMSA)法などを用いて検討する予定である。また、自然免疫関連候補因子とプリオン感染との関係性についてをin vitroやin vivoのプリオン感染実験手法を用いて自然免疫関連候補因子の遺伝子操作によるプリオン感染の成立を随時行うと同時に、平成25年度では、1)遺伝子改変マウスを用いた自然免疫関連因子とプリオン感染と関係性、2)異常型PrP以外の病原体関連因子の探索についてバイオアッセイなどのin vivoおよびin vitroの系にて検討する予定である。
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