2014 Fiscal Year Research-status Report
小児期のホルモンと免疫系細胞・脂肪細胞の分化増殖ネットワークの解明
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24591515
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 加奈子 九州大学, 大学病院, 研究員 (90400332)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 成長ホルモン / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは小児の成長と発達に関わるホルモンの単球系細胞の活性化を介した脂肪細胞の分化増殖作用を明らかにし、小児のメタボリック症候群成立の分子基盤を解明するための研究を行っている。 まず、脂肪細胞株3T3-L1細胞とマクロファージ系細胞株RAW264細胞をTrans-well dishを用いた分離共培養システムを構築した。共培養後にそれぞれの細胞からRNAを抽出しさまざまな遺伝子発現の変化を検討するとともに培養液中のサイトカイン・アディポサイトカインをELISA法により測定した。その結果、Il-6、TNF-αの上昇、Adiponectinの低下を認めた。次にRAW264細胞の成長ホルモンによる前刺激により、その後にAdipocyteと共培養した場合のAdiponectin産生量の低下の程度が減少した(相対的な産生が増加した)。このことはGHで刺激された後のMacrophage が産生する、免疫機能に関連する液性因子量の変化が、AdipocyteのAdiponectin発現量に影響を及ぼすと推定された。 そこで、本年度はまずRAW264細胞にGHを添加することによる変化する遺伝子群について、マイクロアレイを用いた網羅的にスクリーニングした。GH濃度や培養時間などを変えながら何度か予備実験を繰り返したが、結果として一定の傾向を示す遺伝子群が同定できなかった。これは細胞内の様々な遺伝子発現が培養条件によって大きく変動することによると推定された。そこで細胞の遺伝子発現ではなく、代謝変化の網羅的解析(メタボローム解析)をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究者が大学を異動したため予定の実験に若干の遅れを生じたため研究消耗品のコストを中心に平成27年度に繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究に引き続き、以下の実験の準備を進めている。 A)培養細胞系研究の継続 RAW264細胞にGHを添加することによる変化する遺伝子群について、メタボロームを解析する。その結果を定量PCRで遺伝子発現量として確認する。 B) そして有意な変化を認めた代謝経路に関して、そのPathwayを特異的に阻害する薬剤で前処理したマクロファージにGH刺激し、脂肪細胞と共培養することで、脂肪細胞におけるAdiponectinの変化が消失することを確認する。 B)臨床応用に向けた研究としては、上記で見いだされる「Keyファクター」を中心に、成長ホルモン治療中の低出生体重児(SGA児)の成長ホルモンと脂質代謝の関連する臨床データを解析する。
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Causes of Carryover |
本年度は研究者が大学を異動したため予定の実験に若干の遅れを生じたため研究消耗品のコストを中心に平成27年度に繰り越した。研究に関わる検査を外部検査機関に一部委託したため次年度の物品費の予算範囲内で調整する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に培養細胞とメタボロームにかかる実験用試薬に使用する。リアルタイムPCRは特に費用がかかるため、多くはその試薬代に計上している。今後も年度計画に基づき適正な使用を心がける。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Activation of an Innate Immune Receptor, Nod1, Accelerates Atherogenesis in Apoe-/- Mice.2015
Author(s)
Kanno S, Nishio H, Tanaka T, Motomura Y, Murata K, Ihara K, Onimaru M, Yamasaki S, Kono H, Sueishi K, Hara T
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Journal Title
J Immunol
Volume: 194
Pages: 773-780
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Survival and neurodevelopmental outcome of preterm infants born at 22-24 weeks of gestational age.2014
Author(s)
Ochiai M, Kinjo T, Takahata Y, Iwayama M, Abe T, Ihara K, Ohga S, Fukushima K, Kato K, Taguchi T, Hara T
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Journal Title
Neonatology
Volume: 10
Pages: 79-84
DOI
Peer Reviewed
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