2012 Fiscal Year Research-status Report
EBV関連血球貪食性リンパ組織球症におけるEBV感染T細胞の解析と病態解明
Project/Area Number |
24591542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 泰三 金沢大学, 大学病院, 講師 (30313646)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Epstein-Barrウイルス / 血球貪食性リンパ組織球症 |
Research Abstract |
本年度は、Epstein-Barrウイルス(EBV)関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)のサイトカインプロファイルの特徴を明らかにした (Wada et al. Pediatr Blood Cancer, in press)。EBV-HLH患児11名と、コントロールとしてEBVによる伝染性単核症(IM)11名およびパーフォリン欠損による家族性血球貪食性リンパ組織球症(FHL2)4名から採取した急性期の血清もしくは血漿を用いて、炎症性ならびに抑制性サイトカイン計10種をELISAを用いて解析した。EBV-HLHではIMに比べ、IFN-γ、IL-6、IL-10、IL-18、ヘムオキシナーゼ-1が有意に高値を示した。しかし、これらはFHL2患児とほぼ同じプロファイルであった。したがって、EBV-HLHで認められたサイトカインプロファイルは、HLHという病態を反映しているものであり、CD8陽性T細胞に対するEBVの異所性感染に起因しているのではないことが示唆された。一方TNF-αは、EBV-HLH、IMともに上昇していた。またEBV感染細胞からviral IL-10が産生される可能性があるが、EBV-HLHにおけるIL-10高値については、FHL2と同程度であったことからviral IL-10の関与は高くないことが示唆された。これらサイトカインプロファイル解析と、フローサイトメトリーによる解析、すなわちCD8陽性T細胞におけるクローン性増殖とCD5発現低下の解析を組み合わせることは、EBV-HLHの診断、病態把握に非常に有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、EBV-HLHの臨床的検討、患児由来の細胞や血清を用いた細胞分子生物学的解析から、EBV-HLHの病態を解明し、臨床に役立てることを目的としている。これまでに細胞解析とサイトカイン解析の組み合わせが、EBV-HLH診療の極めて良い指標となることを明らかにしてきており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もEBV-HLH症例の解析を続ける一方、多様なHLHを解析することによりEBV-HLHの病態を解明していく。特に、EBV感染CD8陽性T細胞におけるCD5発現低下の意義を解明したいと考えている。興味深いことに、パーフォリン欠損によるFHL2の5例全例で、EBV-HLHと異なりクローン性増殖は伴わないものの、急性期にCD5発現が低下した活性化CD8陽性T細胞が検出されている(論文準備中)。このことは、CD8陽性T細胞においてHLHに共通した、CD5低下をはじめとした異常免疫応答が存在する可能性を示している。またEBV-HLHに特有の細胞マーカーや血清マーカーを見出すべく、実際の臨床の材料を用いて検討中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フローサイトメトリーによる細胞の表面抗原解析に必要な単クローン抗体、細胞分離や細胞培養に必要な試薬、サイトカイン測定に必要なELISAキットなど、消耗品の購入にもっとも研究費を使用する予定である。また、成果を社会に還元するため、国内外での学会発表や国際誌への論文執筆は必須と考えており、これらに対する経費も必要である。なお、平成24年度に若干の未使用額(\6,561)が生じているが、効率的な予算執行により端数が生じたためである。
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[Journal Article] Agranulocytosis after infectious mononucleosis2013
Author(s)
Yokoyama T, Tokuhisa Y, Toga A, Fujiki T, Sakakibara Y, Mase S, Araki R, Nishimura R, Wada T, Fuseda T, Kato E, Yachie A.
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Journal Title
J Clin Virol
Volume: 56
Pages: 271-273
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rapid detection of intracellular p47phox and p67phox by flow cytometry; Useful screening tests for chronic granulomatous disease2013
Author(s)
Wada T, Muraoka M, Toma T, Imai T, Shigemura T, Agematsu K, Haraguchi K, Moriuchi H, Oh-Ishi T, Kitoh T, Ohara O, Morio T, Yachie A.
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Journal Title
J Clin Immunol
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Delayed onset adenosine deaminase deficiency associated with acute disseminated encephalomyelitis2012
Author(s)
Nakaoka H, Kanegane H, Taneichi H, Miya K, Yang X, Nomura K, Takezaki S, Yamada M, Ohara O, Kamae C, Imai K, Nonoyama S, Wada T, Yachie A, Hershfield MS, Ariga T, Miyawaki T.
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 95
Pages: 692-696
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Multiple reversions of an IL2RG mutation restore T cell function in an X-linked severe combined immunodeficiency patient2012
Author(s)
Kawai T, Saito M, Nishikomori R, Yasumi T, Izawa K, Murakami T, Okamoto S, Mori Y, Nakagawa N, Imai K, Nonoyama S, Wada T, Yachie A, Ohmori K, Nakahata T, Heike T.
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Journal Title
J Clin Immunol
Volume: 32
Pages: 690-697
DOI
Peer Reviewed
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