2012 Fiscal Year Research-status Report
脳酸素代謝を用いた乳児と母親の母子相互作用の客観的指標の確立
Project/Area Number |
24591604
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
谷本 公重 香川大学, 医学部, 教授 (10314923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 蓮花 香川大学, 医学部, 助教 (90622035)
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00613720)
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
磯部 健一 香川大学, 医学部, 准教授 (00159815)
伊藤 進 香川大学, 医学部, 教授 (80145052)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 母乳育児 アメリカ / 母子相互作用 アメリカ |
Research Abstract |
平成24年度は、完全母乳栄養で育児中の母親とその赤ちゃんを対象に、2チャンネルの近赤外線分光法を用いて、母子同時に右前額部に測定プローベを設置し、前頭皮質の酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、総ヘモグロビンの変化量を以下の3つの場面で測定した。 ①セパレーション:母親と赤ちゃんの間にパテーションを設置し、視覚的に相互の存在を確認できない場面 ②ケアリング:母親が自分の赤ちゃんを抱っこし、言葉をかけたり、あやしている場面 ③授乳:赤ちゃんの欲求に応じて、母親が自宅で行うのと同様の方法で授乳をしている場面 以上、3つの場面の各パラメーターを比較すると、「セパレーション」では、赤ちゃんの3つのパラメータの変化量は大きく、またその周期も短かかった。「ケアリング」の場面では、「セパレーション」よりも変化量は小さくなり、その周期は長くなった。母親のパラメーターは赤ちゃんに比べると「セパレーション」においても比較的、変化量は小さく、安定していた。「ケアリング」になると、赤ちゃんと同様に変化量がさらに小さくなり、安定した周期で増減を繰り返した。「授乳」の場面では、母親も赤ちゃんも、その変化量が3つの場面の中で最も小さく、周期が大きくなり、安定した周波で増減を繰り返した。また、母親と赤ちゃんの変化パターンに一部、同期性が認められた。この結果は、授乳は母親と赤ちゃんにとって安定した状態をもたらすだけでなく、授乳中に生理的にも母子相互作用が起こっている可能性を示唆するものである。本研究課題の目的の一つである、授乳時の相互作用の解明につながる結果が得られた。現在、全データに対して、フーリエ解析等を検討中であり、さらに詳細な分析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で用いる、唾液コルチゾールおよびオキシトシン検査において適切な検査キットが入手困難な点が最も大きな理由である。また、共同研究者に事情が生じ、加えて、適切な研究補助者が見つからず、幾分、研究推進の速度が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、早期に唾液コルチゾールおよびオキシトシン検査キットを早期に入手する。研究補助者はすでに25年度に対して、確保できたため、24年の分も含めて、本資金を活用し、研究を推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究補助者の確保はできたため、24年度分を含めて、25年度には使用していく。また、成果発表、加えて専門的知識獲得と共同研究の可能性も含めて検討するために渡米し、24年度計画した海外旅費を使用する予定である。現在進めている、解析の結果が出次第、論文作成にかかる(英語論文校閲として人件費・謝金を使用する)。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Hemodynamic Changes in Both Breasts of Lactating Mothers2012
Author(s)
Kimie Tanimoto; Takashi Kusaka; Tomoko Nishida; Renka Takayama; Ikuko Kato; Kenishi Isobe; Susumu Ito
Organizer
International Conference Interprofessional Partnership: Improvement for Global Health Outcomes
Place of Presentation
The Empress Hotel, Chiang Mai, Thailand
Year and Date
20120905-20120907
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