2014 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧走査電子顕微鏡を用いた肺胞上皮におけるサーファクタント関連蛋白イメージング
Project/Area Number |
24591608
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 陽平 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60327583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 義郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60268183)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サーファクタント / 慢性肺疾患 / ASEM / CARS顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児の肺胞環境の恒常性維持には排水の除去、間質を含めた水の輸送、サーファクタント分泌など、水の輸送や脂質の輸送・分泌が不可欠である。大気圧下で走査電子顕微観察が可能な大気圧走査電子顕微鏡(ASEM)とCoherent Anti-Stokes Raman Scattering(CARS)顕微鏡を用いるとサーファクタント関連蛋白の局在や脂質の移動を観察することが可能になる。本研究は、CARS顕微鏡による生きた状態での肺胞上皮及び肺胞上皮細胞における脂質の動きをリアルタイムで観察し、ASEMによる肺胞Ⅱ型上皮細胞でのサーファクタント関連蛋白の観察、CARS顕微鏡での肺胞Ⅱ型上皮細胞での脂質観察とサーファクタント関連蛋白の検討を行う。 昨年度の研究は引き続き当薬理学教室のCARS顕微鏡を用いて肺胞Ⅱ型上皮細胞の脂質の移動やサーファクタント関連蛋白であるABCA3の局在について検討を行った。ASEMに関しては培養ディッシュ上で肺胞上皮Ⅱ型細胞のプライマリカルチャーを生着させることが非常に難しく、ようやく培養条件を確立し、走査電子顕微鏡観察を開始した。 近年の医療では妊娠22-23週の超早産児も成育できるようになり、その生存率も格段に改善している。しかし、子宮内感染などの出生前の胎内環境や出生後の未熟肺でのガス交換による肺障害は新生児の慢性肺疾患を来たし、将来の運動機能や神経学的予後に影響する。本研究の肺胞上皮細胞でのサーファクタントを含む脂質の分泌変および開口放出などの動態、サーファクタント蛋白との関連を観察することにより、肺胞の恒常性維持の理解を深め、新生児慢性肺疾患の予防、治療にも重要な意味を持つと考える。
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