2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591690
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
丹生谷 正史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (00228256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 裕之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (00610677)
野村 総一郎 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (80113091)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストレス / うつ病 / オートファジー / BDNF / VEGF / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ストレス負荷による胃粘膜損傷はよく知られている事象であるが、長期SSRI投与によるストレス耐性形成により胃粘膜損傷が部分的に阻止できることを報告した。この研究結果により、抗うつ薬の長期投与により脳内にストレス耐性の性質が付与されることが明らかとなった。これを形成する脳内機構として、今回の研究対象となるオートファジーを注目するに至った。本来的には、SSRIはセロトニン再取り込み阻害から血小板の凝固能を下げるため、出血傾向が増強され胃粘膜損傷傾向を急性投与では惹起する物質である。また胃領域のセロトニン受容体刺激は胃酸分泌を亢進し、やはりSSRIの急性投与はい粘膜損傷傾向をここからも惹起する。しかしながら、中枢神経系からのストレス耐性形成により、胃粘膜保護作用が観察されたとする報告である。 2)ストレス負荷による海馬領域でのアポトーシス信号の亢進と、オートファジー信号には変化のないことを報告し、さらに電気けいれん療法によって海馬領域でのオートファジー信号は亢進するものの、アポトーシス信号には変化のないことを報告した。 3)ストレス負荷を伴う自衛隊訓練においては、BDNFとVEGFの血中濃度は有意に低下することを報告した。この集団ではBDNFの濃度を高めることが知られている運動量増加や、間欠的飢餓が発生しているが、ストレスによる影響が強いことが示唆された。 4)良環境飼育によって、海馬領域でのオートファジー信号が増強されることを報告し、抗うつ効果とオートファジー系の関連について考察した。
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