2012 Fiscal Year Research-status Report
多様化する血管内治療デバイスに対応した磁気共鳴画像による塞栓脳動脈瘤破裂徴候検出
Project/Area Number |
24591750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
植田 文明 金沢大学, 大学病院, 講師 (80293356)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳動脈瘤 / 磁気共鳴画像 / 塞栓術 |
Research Abstract |
コイルによる瘤内塞栓術の行われた脳動脈瘤のうち12ヶ月以上の期間にわたる造影剤投与前後のMRAでの経過観察例の検討を行った。瘤壁の増強効果履歴をあり(プラス)、なし(マイナス)で分類し、さらに時間的推移をマイナス-マイナス、プラス-マイナス、プラス-プラス(減弱傾向)、プラス-プラス(不変)、マイナス-プラス、プラス-プラス(増悪傾向)と6カテゴリーに細分化した。動脈瘤の臨床的帰結も完全塞栓例、残存頸部もしくは残存瘤だが不変例、残存頸部拡大例、残存瘤拡大例、残存瘤拡大再破裂の5グレードに分類し、不変までを予後良好、それ以降を予後不良と分類した。年齢、性別、動脈瘤の存在部位、多発性、発症がくも膜下出血かどうか、動脈瘤の最大径(mm単位)、動脈瘤の頸部のサイズ(mm単位)、塞栓術の完璧性などを検討した。瘤壁の増強効果は年齢、性別、存在部位、動脈瘤の多発性、発症がくも膜下出血かどうかおいては差異を認めなかった(p>0.05)。動脈瘤の最大径のみが多変量解析上、壁増強群への有意な関与が認められ、オッズ比(OR)は1mmあたり1.17であった(p<0.05)。帰結には動脈瘤の最大径(OR=1.37/1mmあたり)と瘤壁の増強効果(OR=5.10)の2つの因子が有意に関与していた(p<0.05)。瘤壁増強のカテゴリーと帰結のグレードのSpearmanの相関係数は0.5514(p<0.05)であった。動脈瘤拡大傾向を示すにもかかわらず瘤壁の増強効果を示さない例は動脈瘤の頸部増大例であった。瘤壁の増強効果の増悪は塞栓脳動脈瘤の破裂徴候と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニューロフォームやパイプラインステントの使用は未だできていない状況であり、多種類のデバイスによる比較検討には至っていない。ただしエンタープライズステントアシスト下の脳動脈瘤塞栓術症例は2例の追加が得られ、bare platinum コイル塞栓症例はさらに10例の追加が得られているため、研究全体としてはおおむね順調に進行していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイドロコイルの使用例の検討を行い、コイルデバイスの違いによる動脈瘤壁の増強効果の推移の検討を充実させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
エンタープライズステントと次年度より国内導入が予定されているニューロフォームステントの磁気共鳴画像上のアーチファクトの検討のために上記2腫瘤のステント購入とコイル購入に使用する予定である。
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