2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様化する血管内治療デバイスに対応した磁気共鳴画像による塞栓脳動脈瘤破裂徴候検出
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24591750
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
植田 文明 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (80293356)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / 脳動脈瘤 / 塞栓術 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈瘤内へのコイル充填率を上げるためのコイル安定化のために使用されるステントや充填するコイルなど様々なデバイスが形状、材質を変えて開発、使用されている脳動脈瘤の血管内塞栓治療後の予後・安定化の正確な評価法の確立を研究した。 塞栓術の行われた臨床例を発症様式や動脈瘤のサイズ・部位、またくも膜下出血発症か、画像診断による発見かの群に分け、それぞれに行われた塞栓療法の際に使用されたデバイスごとに、年齢、性別や使用したMRI装置や画像での動脈瘤壁の状態(造影剤増強効果)やその経時的推移と再破裂徴候の出現を各種パラメータ(ここではMRI撮像の際の使用シークエンスや臨床的背景因子)ごとに解析し、複数のパラメータが入り組んで作用すると考えられる因子に関してはロジスティク多変量解析を行った。 塞栓術を行った症例数は300を超えたが、統計検討対象例には様々な除外事項が存在したため、論文などの検討対象例は百数十例となった。結果は、統計学的に塞栓術後に追跡した動脈瘤壁の増強効果の経時的悪化と初期治療時における塞栓術完璧性の2点で有意差を持って再破裂および再増大によるmass effectの増悪等の臨床的危険徴候の出現を認めた。すなわちコイル周囲増強効果に関して、多変量解析でも有意に再発兆候を示していた(P=0.043).ただし過去の報告に見られる塞栓術の不十分例の再発危険率に関しては統計学的有意差の統計的パワーははP=0.002であり、統計学的パワーを考慮すると瘤壁及び瘤周囲の増強効果はきわめて高いとまでは言えないものであった。これらの結果と治験は塞栓脳動脈瘤の破裂徴候検出にMRIはきわめて有効な手段であり、今後の臨床応用にきわめて重要な役割を持つと考えられた。
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Research Products
(6 results)