2013 Fiscal Year Research-status Report
PLGA微小気泡による新しい腫瘍特異性超音波造影剤の開発
Project/Area Number |
24591809
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
対馬 義人 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20375546)
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Keywords | 超音波断層法 / 超音波造影剤 / マイクロバブル / 抗EGFR抗体 / Cetuximab |
Research Abstract |
昨年度の実績より、Poly-D,L-lactide-co-glycolide (PLGA) microbubbleの作成は容易であって、十分な収率をもって作成可能であることを示したが、その大きさは概ね540nm程度であり、一般に毛細血管壁を通過しない。腫瘍への集積を目的とするのであれば腫瘍血管を通過し、間質へと拡散可能な大きさであることが望ましい。今年度はmicrobubbleをさらに小径とし、また内部にperfluorooctyl bromide (PFOB)を封入する試みを行った。PLGAを材料として、径が200nm以下のnanobubbleを作成し、これに PFOBを封入し、このnanobubbleをstreptavidin (avidin)を介して抗EGFR抗体(Cetuximab;EGFRに結合し、EGFRの活性化・二量体化を阻害するモノクローナル抗体)で標識する試みを実行した。走査電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、PFOBを封入していないnanoparticleは球形ではなく、いびつであったが(どんぐり型; acron-shape)、PFOBを封入したnanobubbleは表面がスムースな球形のバブルとて認められ、67.05nm大のnanobubbleで、壁厚は9.46nmであった。ゲル内にこのnanobubbleを封入し、臨床用の汎用超音波検査装置を用いて、造影モード(コントラストハーモニック法)でファントム実験を行ったところ、視認性は非常に良好であり、MI=0.50程度まで明らかなnanobubbleの崩壊は観察されず、Sonazoidと比較しても十分に臨床利用に耐えると考えられた。さらに従来のmicrobubbleと比較しても、そのエコー輝度ははるかに高く、視認性において明らかに優れていた。 次にEGFRの発現が明らかとなっている腫瘍(MDA-MB-231 tumors, breast tumor)を作成したマウスにこのnanobubble(50mg/ml)を静注し、同様に造影モードにて連続的に観察し、血管内を流れるmicrobubbleの観察が可能であることを確認した。しかしながら腫瘍への特異的な集積を観察するには至っていない。今後は腫瘍集積性を高める工夫が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Microbubbleよりさらに小さなnanobubbleの作成に成功し、腫瘍血管壁を透過する大きさとすることができ、実用性が増している。さらに内部にPFOBを封入することで、超音波断層装置による視認性は格段に向上している。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな超音波造影剤として十分な性能を有するが、腫瘍特異性の獲得は不十分であり、これを高める工夫が必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画的に使用したが、少額の残りが生じた為。 次年度の配分額と合わせて計画的に使用する予定。
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Research Products
(1 results)