2013 Fiscal Year Research-status Report
不安定プラークの核医学診断のための理論的精密設計に基づく低分子プローブ開発
Project/Area Number |
24591813
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90378787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40115853)
塩見 雅志 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50226106)
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Keywords | 放射性医薬品 / 動脈硬化イメージング / 不安定プラーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、動脈硬化治療の分子標的として注目されてきているFatty Acid Binding Protein4(FABP4)およびMatrix Metalloproteinase12(MMP12)に着目し、選択的阻害剤を基盤とした計算科学的手法に基づく精密分子設計を駆使することで高親和性・高選択性を両立した『低分子核医学イメージングプローブ』を開発することにある。本年度は、H24年度に分子プローブとしての基本的な有効性を見出した[125I]TAP1の詳細な有効性評価を行い、最終年度への改善点の抽出を行った。 (1)インビボ検討:[125I]TAP1のFABP4標的インビボイメージング用プローブとしての有効性を調べるため、FABP4を発現することが知られているC6グリオーマ細胞移植担がんマウスを作製し、尾静脈内投与後の体内分布を調べた。がん組織に集積した放射能分布をFABP4免疫染色と比較して調べたところ、放射能集積とFABP4発現領域が一致する部位と、非特異的に血流に依存して集積していると考えられる部位の両者が存在することを認めた。また、FABP4発現部位はがん組織周囲に存在する脂肪細胞であることが明らかとなった。 (2)インビトロ検討:インビボ検討の結果を詳細に調べるため、分化脂肪細胞を作製し[125I]TAP1の取り込みを調べた。分化脂肪細胞は未分化な脂肪細胞と比べFABP4を高発現することを認め、[125I]TAP1はFABP4発現に応じて分化脂肪細胞に高い放射能集積を示した。一方で、FABP4選択的阻害剤の処置によってもその取り込みは完全には阻害されなかったことから、プローブの脂溶性の高さに起因すると考えられる非特異的な集積が存在することが明らかとなり、今後、脂溶性を低減する分子設計の必要性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FABP4プローブ開発において、昨年度設計・合成した複数のプローブ候補化合物群より見出された[125I]TAP1に高い可能性が期待されたことから、本年度もFABP4プローブ開発研究を先行して行うこととした。分化脂肪細胞あるいは担がんマウスといった新たな評価系を構築することにより[125I]TAP1の有効性と改善点の抽出に成功したことから、最終年度この成果を推し進めることによりさらに有効なプローブの開発が期待できる。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度においてもFABP4プローブ開発研究を重点的に行う。H25年度までに抽出された問題点の改善と、インビボでの定量的イメージングに有効性が期待できる18Fプローブ開発へ研究を展開する。
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Research Products
(4 results)