2012 Fiscal Year Research-status Report
根治的放射線治療後再発食道癌に対する高精度放射線治療技術を用いた臨床試験
Project/Area Number |
24591842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 智成 九州大学, 大学病院, 講師 (10380437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 善之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323304)
中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507)
吉武 忠正 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40452750)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
大賀 才路 九州大学, 大学病院, 助教 (90380427)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臨床試験 / 食道癌 / 再発 / 放射線治療 |
Research Abstract |
平成24年度は九大病院・九州がんセンターでの食道癌再発症例に対する再照射の症例について調査を行った。食道癌に対して根治的放射線治療後の再発例に対して再度の根治的放射線治療を施行した症例は過去10年間で6例であった。その治療後の経過をを確認したところ6例のみが生存しており、その他の症例は全例原病死であった。生存例については化学療法併用で再照射60Gyが行われており、治療後の有害事象も重篤なものはなかった。死亡例のうち2例は照射野内に再々発を認め、1例は放射線肺臓炎にて死亡し、2例については局所は比較的制御されていたものの、最終的には経口摂取不能と成り緩和ケアに移行している。死亡例の線量は30-60Gyであった。以上の結果から再照射線量としては最低でも30-40Gyは必要で有り、可能ならば60Gy程度はやはり必要と考えられる。放射線肺臓炎による死亡もあることから強度変調放射線治療を用いて再照射を行うことで、有害事象のリスクを低減できる可能性はあると考えられる。以上の結果から最小線量は比較的安全と思われる30Gyから開始し、10Gy程度の線量増加試験としてプロトコルを作成した。九州大学病院・九州がんセンターの倫理委員会に提出する準備中である。倫理委員会の審査を通過後にそれぞれの施設にて症例を登録し、線量増加試験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は平成25年度には臨床試験を開始する予定であったが、試験計画書の作成に時間を要しており、開始がおくれてしまった。今後は早急に九州大学病院・九州がんセンターで倫理委員会に提出し、承認をえられ次第症例集積を開始する
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はプロトコル作成と患者集積がもっとも重要なポイントとなる。プロトコル作成にはこれまでの症例の解析が必要で有り、九州大学・九州がんセンターでの症例を解析するために時間を要してしまい、またプロトコル作成にもそれ以上の時間を要してしまったが、今後は両施設にて他科の患者を含めて積極的に症例集積に努め、臨床試験を遂行していく予定である。症例集積については他大学やがん拠点病院などにも連絡し、症例の紹介を依頼する方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内および国外にて開催される複数の学会において研究成果を発表する。また、研究成果は論文として投稿する。学会への旅費および参加費、論文作成時の英語校正に研究費を使用する予定である。
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