2012 Fiscal Year Research-status Report
気管細胞外マトリックスと自己骨髄幹細胞を用いた異種移植気道グラフトの開発と応用
Project/Area Number |
24591881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 奈都美 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20572853)
笠井 由隆 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40610085)
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 人口臓器 |
Research Abstract |
① ブタ気管細胞外マトリックス(ECM)の作製;採取したブタ気管をDEM法:sodium deoxycholateで4時間 ならびにDNAseにて3時間処理.さらに1日の精製水内での保存の計2日を1サイクル;このDEM17サイクルにてブタの気管を脱細胞化し気管細胞外マトリックスを作製した。このマトリックス(ECM)の非抗原性は実証済みである. ② ECMの異種移植グラフトとしての可能性をさぐるため異種異所移植実験を行った.具体的にはイヌ(異種宿主)におけるマトリックスに対する拒絶、慢性的生体反応の評価 ;全身麻酔下にイヌ背部皮下脂肪組織下,並びに傍気管にマトリックス 1cm × 2cmを移植埋没、縫着した.急性期(1週)慢性期(4週)においてもこれら異種材料(マトリックス)は拒絶するされることなく宿主へ生着した。 この結果を経て異種同所の移植実験を行った. ③ 全身麻酔下にイヌ頚部気管軟骨部前面に1cm × 2cmの気道欠損を作製し、この気管欠損部を同マトリックスにおいて修復した.このプロトタイプの実験においても宿主からの拒絶はなくECMは短期的には宿主へ生着した。これら実験はすべて免疫抑制剤の投与なしに遂行された. この成果は呼吸器外科治療において,いまだ不足している気道修復材料候補としてECMの存在を示唆するものであり、さらには気道移植におけるドナー不足問題に対しての一つの解答となる可能性があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日常臨床業務が多忙となり実験にさける時間と人員が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度実験結果からECMは異種移植グラフトとしての可能性が示唆された。まずはこの結果を学会等で発表する予定である. 一方で顕微鏡的評価では移植されたECMの全体において気道の上皮化が認められたわけではない。今後はこの上皮化を促進するために再生医工学の手法に基づき、間葉系幹細胞や、種々のサイトカインをがECMの生着ならびに気道上皮化の促進にどのように作用するかを検証する。また長期的にECMが異種宿主の中でどう変化するかも観察してゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度と同様、ECMの作製と移植実験に費用を使う予定である.また今後は組織細胞学的な検討、評価にも研究費用を割り当てる予定である.
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