2014 Fiscal Year Annual Research Report
気管細胞外マトリックスと自己骨髄幹細胞を用いた異種移植気道グラフトの開発と応用
Project/Area Number |
24591881
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 奈都美 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20572853)
笠井 由隆 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40610085)
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 人工臓器 |
Outline of Annual Research Achievements |
H24,H25年度の実験結果からブタ気管由来の細胞外マトリックス(ECM)は異種移植グラフトとしての可能性が示唆されたため、この実験系にて引き続きECMの異種同所移植 (ブタからイヌ気管へ移植)を行った。 前年までの実験からはマトリックス上の気道粘膜の上皮化促進が課題であったため、この促進因子として G-CSF とエリスロポイエチンをそれぞれの群に分けて宿主であるイヌの局所ならびに全身(皮下)に投与した(n=4)。その後移植されたマトリックスを継時的に気管支内視鏡にて観察したところ両群において移植後1-2か月の短期ではマトリックスの色調にはあまり変化は見られなかった。一方で、移植後4か月以降を過ぎるころよりその色調は両群にて周囲気管粘膜と遜色ない色調となった。これから異種のブタ細胞外マトリックス(ECM)はイヌ気管に生着することが可能と思われた。一方でG-CSFとエリスロポイエチンは気道上皮化の促進因子として期待されたが、グラフト移植後1か月の急性期の肉眼所見では明らかな上皮化促進の証拠は得られなかった。また、当初間葉系細胞をマトリックス上に移植しTGF-β を加え局所の細胞反応を期待したが、ブタマトリックスの軟骨基質としての強度は移植するには十分であったために施行していない。 本年の実験を通して ECM は異種宿主(イヌ)上で生着することが確認された。本研究目的の中枢気道欠損部の補填材料としての ECM の可能性は同時に示唆されたと考える。今後これらの結果を国内学会、論文を通じて外部へ向け発信する計画である。
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