• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

HLA-Fによる免疫抑制法―制御性T細胞を100%残すアロ反応性細胞除去法の開発

Research Project

Project/Area Number 24591886
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNara Medical University

Principal Investigator

王寺 典子(下嶋典子)  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30398432)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石谷 昭子  奈良県立医科大学, 医学部, その他 (40112544)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords移植 / 非古典的HLAクラスI / HLA-F
Research Abstract

HLA-Fは非古典的HLAクラスI遺伝子の一つであり、同じく非古典的HLAクラスI遺伝子であるHLA-E、HLA-Gと共に1990年頃、Geraghtyらが発見した遺伝子である。これらは古典的HLAクラスIのHLA-A、-B、-Cと異なり、非常に多型性が乏しく、また発現部位も限局されている。HLA-Fは、それまでWainwright ら(J Immunol., 2000)、Lepin ら(Eur J Immunol., 2000)から、細胞質には存在するが、細胞表面には発現しないと言われていたが、石谷 ・Geraghty DEらが、細胞表面に発現するHLA-Fを検出しうるモノクロナル抗体の作製に成功し、①HLA-Fは、定常状態のB細胞表面には発現していないが、EB virusにより形質転換したB細胞表面には発現すること(J Immunol., 2003)、②HLA-Fは定常状態のリンパ球表面には発現していないが、活性化されたリンパ球表面には発現すること(Eur J Immunol., 2010)、③HLA-FはCD25+CD4+制御性T細胞表面には、定常・活性化のいずれの状態においても発現しないことを示した(Eur J Immunol., 2010)。このHLA-Fの特徴を利用して抗HLA-F抗体を使用した活性化細胞除去による免疫抑制法の開発を目指し、初めに腎臓・肝臓・造血幹細胞移植前後における患者末梢血リンパ球におけるHLA-Fの発現を解析した。これまでに、腎臓移植31例、肝臓移植21例、造血幹細胞移植17例について、HLA-Fの発現変化について継時的な解析を行っている。現時点では、各臨床データと、HLA-Fの発現について、明確な相関は得られていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

検体数は、非常に順調に増やせている。しかし、統計学的な解析を行うには最低でも各100例程度を集める必要がある。検体によっては、移植前後の各日程(移植前日、移植後1日目、以降1週間~2週間おきに、1~3カ月。以降1カ月おきに6カ月~3年間)の検体を得られない場合もあるので、移植前後の各日程すべてにおいて解析可能な検体数を確保するため、継続して検体数を増やし、解析を継続する。
HLA-Fの発現解析は、得られた検体すべてについて行っているが、これまでのところ、各臨床データとHLA-F発現について相関は得られていない。これには、検体数が少ないことが一つの要因として考えられるが、それ以外に、HLA-F弱陽性となる検体数が多く、これらの陽性判定が難しい点にもあると考えている。また、HLA-Fは多様な分子構造をとることが報告されており(J Immunol., 2010)、これらをすべて検出するため、認識部位の異なる6種の抗HLA-F抗体を用いて解析を進めているが、抗体ごとに反応性が異なるという点においても、陽性判定が難しくなっている。今後、陽性判定が難しい検体について、それらの細胞が実際にHLA-Fを発現しているのかを明らかにし、その結果を踏まえ再度臨床データとの相関について検討する必要があると考えている。
また、抗体ごとの反応性の違いが、実際に発現しているHLA-Fの構造によるものであれば、活性化状態のリンパ球に発現するHLA-Fの構造・機能の違いについても合わせて解析を行う必要がある。本研究を進めていく中で上記の問題点がみいだされことから、現在までの達成度はやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

昨年度に引き続き、腎臓・肝臓・造血幹細胞移植後患者末梢血単核球におけるHLA-Fの発現解析を続け、検体数を増やすと共に、昨年度までの結果から、HLA-F弱陽性細胞上のHLA-Fのタンパク解析が必要であると考えている。そのため今後は、得られた検体についてフローサイトメトリーでHLA-F発現解析を継続するとともに、HLA-F弱陽性細胞上のHLA-Fのタンパク解析を行うため、使用している6種の抗HLA-F抗体を用いて、各HLA-F陽性細胞を分離し、HLA-Fタンパク検出を試みる。そのうえで、どの程度の発現強度を示す場合に、HLA-Fが検出されるかを明らかにし、再度、臨床データとの相関を検討する。
また、HLA-F発現における免疫抑制剤の影響についても、検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度は、研究計画通りに研究費を使用したが、解析を行う中で、検討する項目が追加されたため、試薬購入による支出が当初の予定よりも大幅に増加した。25年度以降についても、同様に試薬購入費が大幅に増加すると想定される。しかし、25年度以降の研究費は、24年度の60%程度になっているため、試薬購入費不足により、25年度以降の研究の継続が困難になる可能性がでてきた。これを回避するため、24年度の人件費・学会出張費等への支出を抑え、25年度請求分と合わせて使用できるようにした。
使用計画については、申請書の計画通りに使用し、試薬(主に抗体)、ガラス・プラスチック等使い捨て器具(チューブ、シャーレ、、ピペット等)に使用する。内訳は、抗HLA-Fモノクロナル抗体¥60,000/本×6=360,000-、FACS用抗体(CD25、CD4、CD3、CD19、CD14、CD56、CD127、アイソタイプコントロール3種)¥50,000/本×10=500,000-、細胞分離キット(CD3、CD19、抗マウスIgGビーズ)¥80,000/kit×4=320,000-、タンパク質解析用試薬\65,000-(PAGEゲル\2,500/10枚×100枚=\25,000-、PVDFメンブレン\40,000-)、その他をガラス・プラスチック等使い捨て器具に充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 移植患者末梢血リンパ球におけるHLA-G、HLA-Fの発現2012

    • Author(s)
      下嶋典子、勇井克也、貝森淳哉、矢澤浩治、吉澤淳、一戸辰夫、森井武志、長谷川淳、米田龍生、高原史郎、上本伸二、吉田克法、羽竹勝彦、喜多英二、Geraghty DE、石谷昭子
    • Organizer
      第21回日本組織適合性学会大会
    • Place of Presentation
      明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン・リバティタワー
    • Year and Date
      20120915-20120917

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi